【「成立断念」トレンド1位に】埼玉県虐待禁止条例の改正案、議会を待たず、取り下げ。アメリカでは子供の放置に罰則がある。

 

スポンサーリンク

通称、「埼玉のぶっ飛び条例」、採決を待たずして取り下げ。民意の勝利か。

 

子どもを自宅や車などに放置する行為を「虐待」として禁止しようと、

埼玉県虐待禁止条例の改正案を提出していた自民党県議団は、

開会中の9月定例会での成立を断念した。

改正案には県民などから

「子どもだけの登下校まで禁じるのはおかしい」などと批判が相次ぎ、

理解を得られない中で成立させるのは困難と判断したため。

この話題を先日取り上げました。

 

皆様から頂いたコメントも、

やはりおかしいというものが多く、

改正反対の署名をしてくださった方も。

今回の成立断念は、

言わば民意が議会を動かしたもの。

13日の本会議での採決を待たずして取り下げる結果となった。

 

 採決を待たずして取り下げるも食い下がる自民党埼玉連。

放置や置き去りによる悲惨な事案が各地で起きたことを受けて、

県議会最大会派の自民は来春施行を目指す改正案を今月4日に提出。

委員会は通過し、13日には本会議で採決の予定だった。

委員会では、提案者代表の小久保憲一議員が

「子どもの放置は危険で、いけない行為だと(県民の)意識改革を図りたい」と

改正案の提出理由を説明。

「放置が禁止されない場所は存在しない」とした上で、

「児童に危険が及び、保護者がすぐに

児童のもとに駆けつけられなければ『放置』にあたる」と述べた。

関係者によると、自民は議長に撤回を要請する方針だ。

 

 

スポンサーリンク

改正案の問題点・何に民意は反発したのか。

 

改正案は罰則規定はないものの、

保護者や保育園職員などに対し、

小学3年までの子どもの放置や置き去りを禁じる内容。

虐待を受けた児童の発見時などの通報を県民の義務とした。

自民党からの提案時に他の会派などから

「多くの家庭が条例違反になりかねない」

「子どもの預け先がない親を追い詰める」などと批判が相次いだ。

さいたま市PTA協議会なども改正反対のオンライン署名活動を始めていた。

オンライン署名は9日午後2時までに、7万人超が賛同の意を示した。

これにより、埼玉県議会では採決を前に取り下げを行った。

とりあえず成立断念ということでほっとした方も多いでしょう。

けれど、「9月定例会での成立断念」ということですから、

引き続き注視していく必要があります。

しかし、なぜこんな市民生活から乖離した条例案が出てきてしまったのか、

関係者の皆さんには十分に振り返りをしていただきたい。

登下校班がある地域もあれば、ない地域もある。

私立学校に通う子どももいる。

小学校から離れている学童保育もある。

学童に通うのに時間的に送迎できない親もいる。

親が家にいても、小学生がすぐ近くの公園に遊びに行くのに

親がついてなければならないというのは、どうなのか。

子どもにとっても不自由な生活になってしまうかもしれない。

この条例を成立させたいのであれば、

3年生以下の子どものいる家庭に対して、

仕事をしなくても暮らして行けて、

進学にかかるお金の積立もできるくらいの補助金を出そう、と言うくらいでなくては。

けれど、子供の成長にかかわる「他者とのふれあい」まで規制してしまって、

子どもたちの心は健全に育つのだろうか。

 

 

アメリカでは子供から目を離すとどうなる?

「アメリカなどではすでにそのような法令がある」。

それは聞いたことがありますが、

具体的にどのようなことかまでは知りませんでした。

アメリカ、とまとめて言いますが、アメリカでは「州法」と言って、

それぞれの州で適用される法律があります。

どのような行為が「虐待」とみなされるのでしょうか。

 

 アメリカで「児童虐待」となる例

アメリカでは子どもから目を離したり、

家や車、ホテルなどに放置する行為は

例え短時間でも児童虐待と見られ、

警察に身柄を拘束されたり罰金等を課されるなど重大な結果を招くことがあります。

しかし、治安や、チャイルドシッターの普及率の高さ、

また、それに関わる金額の違い、

そもそも行政サポートが圧倒的に充実しているなど、背景が大きく異なります。

また、アメリカ国内でも、連邦法、州法、さらに郡や市の条例などがあり、

住む場所によってルールが違うことがしばしば。

ハワイ州、ワシントン州、カリフォルニア州を含む19州では、

自動車に子どもを残すことに関して年齢または時間を定めていますが、

オレゴン州を含む26州では特に明文化されたものがありません。

なお、イリノイ州やルイジアナ州ではハワイ州よりもさらに長く、

10分までなら車内に残しても可となっています。

また、この法令が適用されるワシントン州の

16歳未満という年齢制限は全米では一番高い年齢です。

ワシントン州では州法により、

公共の場やフリーウェイでエンジンがかかった状態の車の中に、

16歳未満の子どもを残して外に出ることは禁止されています。

再犯の場合は運転免許証を取り消される可能性があります。

また、子どもの置き去りは、子どもが車から勝手に出てしまう危険性や、

誰かに連れ去られる可能性がたかく、

数分であっても虐待として通報されるケースもあります。

オレゴン州には、

10歳未満の子どもを危険な場所や健康を害する場所に

置いてはいけないという州法があり、

家でも車でもどこでも、これに違反するかどうかが問われます。

なお、ポートランド市の条例では、

6歳未満の子どもを鍵をかけた車の中に残すこと、

または鍵をかけていない車に子どもを15分以上残すことを禁止しています。

さらに、車内に残された最年長者が10歳未満の場合、

その車の付添人とは認められません。

 

 アメリカでは子どもを1人で留守番させていい?

留守番について、例えばイリノイ州では14歳以下は不可、

メリーランド州では8歳以下は不可としていますが、

多くの州では州法で年齢を特定していないか、

そもそも留守番について何も定めていません。

ガイドラインを設けている郡や市では、

10~12歳くらいから可としているところが多いようです。

連邦法や州法での規定はありませんが、

ワシントン州のガイドラインでは10歳以上であれば

1人で数時間の留守番も可、

ただし兄弟の子守りをさせるのは不適切としています。

また、州の社会福祉保健省では、12歳以上であれば留守番可としているものの、

子どもの精神的な成熟度、

それぞれの家庭の方針や事情なども考慮すべきとしています。

オレゴン州には、10歳未満の子どもを

危険な場所や健康を害する場所に置いてはいけないという法律があります。

留守番に特化した細かな決まりはなく、

留守番も、車の置き去りも、1人での登校も、

これに違反しているか否かが問われます。

オレゴン州の法律は明白でない部分が多くあります。

 

 新たな問題点「ヘリコプターペアレント」

子どもを一人にさせない、これはアメリカでは共通の原則のようです。

この明確な原則のせいで新たな問題が浮上しています。

過剰に過保護な親が増えてしまったアメリカ。

これが習慣化すると「ヘリコプターペアレント」と呼ばれ、

子どもの自立を妨げる行動へと発展していく可能性があるのです。

ヘリコプターペアレントは1990年代にアメリカで生まれた言葉で、

英語でも「Helicopter parent」と表現します。

ヘリコプターが空中で止まって静止飛行することを、ホバリングといいます。

ヘリコプターペアレントとは、

ホバリングするヘリコプターのように、

子どもを常に監視します。

何か起きるたびにすぐに飛んでくるヘリコプターのような保護者を意味します。

やがて見守るだけでは飽き足らなくなり、

子どもの行動を朝から晩まで管理し、干渉し、

親の思い通りにコントロールするようになります。

これは幼児期だけにとどまらず、

青年期にも引き続くことも。

ヘリコプターペアレントという表現の発祥地であるアメリカでは、

子どもへの過干渉や過保護が社会問題にもなっています。

可愛い子どもを想って愛情を注いでいるつもりでも、

行き過ぎた行動をとってしまうと子どもの成長を妨げてしまい、逆効果です。

 

日本とアメリカでは社会背景が大きく違うので、

単純に同列に語ることはできませんが、

どの国においても、

どの国の親、子供においても

「過剰な手厚さ」は、誰のためにもならないということですね。

 

 

今日のヒメちー

 

ひとは自立を促すためにも

あまり過剰な保護はよくないと思いますが、

猫には手厚くしてくれてもいいと思います。

そろそろ温かいベッドや、

ストーブを出してくれてもいいんですよ?

まあ、ヒメちー、かわいいおてて。

そんな可愛くお願いされちゃうと、ねぇやんも心が動いちゃうわ。

でもストーブはまだ早いけど。

ヒメちーも自分で工夫して暖を取らないと。

猫も人も、適度な自立、大事よ。

ちぇー。

それにしても、

ここまで騒ぎが大きくなるまで、

この条例案がおかしいと気づかないなんて…。

埼玉の方は、次回の選挙、よく考える必要があるわね。

 


コメント