【ノアの方舟伝説】方舟に乗れなかった動物は絶滅したのか?

 

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ノアの方舟と大洪水の謎

旧約聖書の創世記に記されているノアの方舟。

誰でも一度は耳にした事があるかと思いますが、

ざっくり言うと、

アダムとイブの時代から何世代かが過ぎると、地上には人が多くなりすぎ、

人々は悪いおこないを続けて、神さまを怒らせていた。

ある日ブチぎれた神様は、大洪水で世界をほろぼすことを決めたのですが、

大天使ガブリエルによって、すべての人を滅ぼすことはあきらめます。

善人であるノアに方舟をつくり逃げるよう伝え、

ノアとその家族、動物たちだけが生き残った。

ヤコポ・バッサーノ 「ノアの方舟に乗り込む動物たち」

…と言うもの。

ちゃんと猫もいますねー。

いくら善人とはいえ、ノアとその家族以外の人間は全部滅ぼしちゃったり、

選ばれて方舟に乗れなかった動物たちもまとめて滅ぼしちゃったりと、

なかなかに残酷なお話です。

尚、ノアの方舟の伝説には諸説あり、

自分が知ってるものとは違う、と言う突っ込みは無しでお願いします。

また、この記事を書くに当たっては、

ビー玉さんのブログを参考にさせていただきました。

 

 

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洪水から生き残ったノアたちと動物たち。

洪水の後、水がひき、大地を見つけたノアは、

そこに新しい生活の場を持ちます。

アララト山に着いたノアの箱舟(Simone de Myle、1570年)

 

どうやって大地を見つけたかと言うとこれも有名なお話、

洪水は40日40夜続き、150日の間、地上は水で覆われていました。

ハト、もしくはカラスを飛ばしてみるも、

すぐに帰ってきてしまう。これは陸上がない、と言う事を表しています。

さらに7日後、飛ばしたハトはオリーブの枝を咥えて持って帰って来ます。

オリーブの枝は陸上があり、木々が生えている証。

神様は、地上に降りたノアたちを祝福します。

「産めよ、増えよ、地に満ちよ」

一方的に滅ぼしといて勝手過ぎるやろ、と思うけれど、相手は神様。

すべて自分の思い通りに事を進めることが出来るんですね。

ノアは神に感謝し、燔祭をします。

燔祭。はんさいと読みます。

日本人には聞き慣れない言葉ですが、聖書の中には幾度か登場します。

どうやらわりと重要な儀式のようです。

燔祭とは生け贄の動物を祭壇で焼き、神に捧げる儀式のこと。

一つがいしか連れてこなかった生き物を

神様とはいえ、捧げてしまったら、その動物は絶滅してしまうのでは…。

実は神様はすべての動物を救ったつもりでも、

ここで絶滅させてしまった動物もいるのでは?と思いますよね。

上に書かれた絵画でも、すでに一つの種類の動物が絶滅の危機に…。

また、動物たちが絶滅しなかった理由についてはドラコさんが考察されています。

 

「単為生殖」の可能性などもかかれていてとても面白いです。

 

 

方舟に乗れなかった動物はいるのか?

神様がノアに伝えたことは、

「方舟にはいる動物の数は、清い動物も清くない動物も皆、 雄雌各1匹ずつ」

あるいは、

「方舟にはいる動物の数は、清い動物は七つがい、清くない動物は 一つがいずつ」

ノアの作った方舟に乗せるように、と。

聖書には、地上の動物、空を飛ぶ動物はすべて、

雌雄1匹ずつ箱船に導き入れられたことが、繰り返し書かれています。

そして、箱船に入らなかった動物はすべて死に絶え、

箱船に入った動物はすべて洪水から救われて、

洪水後ノアたちと共に地上に降り立って、

今の生き物の先祖となったと書かれています。

すべての生き物をつがいで乗せる、と言う事は、

選ばれなかった生き物たちはすべて洪水に飲まれてしまったことになります。

動物たちは悪さをしていないのにね…。

人の巻き添えを食ってしまったと言う事になります。

神様と言うのは慈悲深いのか深くないのかよくわかりませんね。

 

 清い動物と清くない動物

旧約聖書レビ記 11章によると、

「人々に言いなさい。食用にできる動物は、ひづめが分かれ、

反芻するものだけである。 ラクダ、岩だぬき、野うさぎは食べてはならない。

反芻はするが、ひづめが分かれていないからだ。

ひづめは分かれているが、反芻しない豚もだめだ。 

これらは肉を食べることはおろか、死体にさわってもいけない。

絶対に食用にできない動物である。」

「 魚は、ひれとうろこがあるものなら、海のものでも川のものでも食べてよい。

 しかし、それ以外の水中動物は絶対に食べてはならない。

 肉を食べてもいけないし、死骸にさわってもいけない。

 くり返すが、ひれとうろこのない水中動物は食べられない。」

「鳥の中では、次のものは食べてはならない。

はげわし、はげたか、みさご(タカ科の鳥)、はやぶさの類全部、

とび、からすの類全部、だちょう、よたか、かもめ、たかの類全部、

ふくろう、鵜、みみずく、白ふくろう、ペリカン、野がん、

こうのとり、さぎの類全部、やつがしら、こうもり。」

「飛ぶもので四つ足のものは食べてはならない。 

しかし、跳びはねるもの、いなごなどの類は別である。

いなご、バッタ、大いなご、小いなごなどは食べてかまわない。

それ以外に飛ぶもので、四つ足のものは食べてはならない。」

「地面をはい回る動物のうち、次のものは汚れている。

もぐら、とびねずみ、大とかげ類、やもり、わに、とかげ、すなとかげ、カメレオン。」

ずいぶんと厳しい、清くない生き物の定義です。

ひれやうろこのない水生生物、

ウナギ、タコ、イカ、エビ、貝類、ウニ、クジラなどを食べてはいけないとは…。

牛や羊は7つがい、そのほかの生き物は

つがいで方舟に乗せられたと考えてよいと思うのですが、

この清い生き物…ノアが洪水の難を逃れ、新天地に降り立った時に、ひどい目にあいます。

 

 

結局神様にささげられた供物って…。

神様にささげられた供物と言うのは、

麦や果物ではなく、生きた清い動物。

ここでノアは、7つがい連れてきた、

「清い生き物」を神様への供物として捧げます。

システィーナ礼拝堂の天井絵の『ノアの燔祭』

 

供物として選ばれたのは羊。

何やらギャラリーが多いけれど…。

動物にも好奇心ってあるのね。

7つがい連れてきた動物をささげたことで、

ノアが差し出した供物により絶滅した動物はいなかった、と言う事になります。

その後、人の繁栄によって、絶滅してしまった動物は多くいますが…。

結局のところ、やはり、人が一番罪深い生き物なのでしょうか。

 

 

今日のヒメちー

ヒメは方舟には乗りません。

箱には入りますが。

方舟って広いらしいじゃないですか。

ヒメにはこのくらいの狭さがぴったりです。

あのね、ヒメちー、箱ごと方舟に乗せるって方法もあるわよ。

え…

ヒメちーのうんとうんとご先祖様が、

嫌がらずに方舟に乗ってくれたおかげで、今のヒメちーがあるのよ。

神様がもう一度、洪水起こしちゃいたくなるような、

そんな世界にしてはだめ。頑張ろう。

 

  

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