犬や猫、動物たちが街中で暮らす国・トルコ
トルコ・イスタンブールでは、
路上に、飼い主の決まっていない犬や猫がたくさん住んでいます。
これらはみんな、いわば地域犬、地域猫。
街をあげて、犬や猫との共存を実現しているのです。
トルコの街には、いたるところに
犬や猫が、自由気ままに暮らしています。
時には電車に乗って移動することも。
路上で寝ていれば、心優しい誰かが、
お布団代わりの小麦粉の袋をかけてくれます。
こうして人と、動物たちがいわば共存している素敵な街になっています。
トルコの人も初めから、犬や猫が好きなわけではなかった?
イヌの家畜化の起源はおよそ2万年前。
ヨーロッパオオカミを起源とする犬は、
長い時間をかけて、オオカミと犬に細分化されました。
猫がネズミ取りとしての任務があったように、
犬たちもまた、牧羊犬や家畜の見張り・護身、軍用犬などの
重要な任務に就いていました。
人とのかかわり合いは猫よりも古く、
長い間、人の良きパートナーとして暮らしてきました。
トルコでも同じ。
トルコでは、ヨーローッパオオカミが旧石器時代の終わりごろ、
中東・東南アジア系のイヌと交雑して定着したと言われています。
犬、猫たちの苦難
そんな、犬、猫に手厚いトルコ。
ところが20世紀になると
欧米と同じように野良犬・野良猫の駆除政策が導入されるようになります。
1910年には「犬の大虐殺」事件が起こります。
不浄な動物だから豚肉を口にしないと同じ理由で、
イスラム教において犬は不浄とされています。
猫を大切にするイスラム教と違い
キリスト教での猫は、魔女の化身とされ、
生きたま焼かれたりしました。
当時のイスタンブールの知事が市内にいた野犬を狩り集めて、
マルマラ海にある孤島に連れて行ったのです。その数8万匹ともいわれます。
「犬はきちんと世話され、エサも与えられた」と行政側は主張したようですが、
実際のところ、ほとんどの犬が飢えと渇きで死に絶えました。
また、泳いで逃げようとして溺れ死んだ犬たちも多数いたようです。
この出来事が起きた翌年にマルマラ海沿いで大きな地震があり、
犬を見捨てたことへの神からの罰だとささやかれたそうです。
それでも1990年代になっても、
野良犬・野良猫の駆除のために道路に毒を置くようなことが
一般的に行われていたようです。
ところが2004年にトルコで「動物保護法」が可決されたことで、
地方自治体に対して路上で生活する犬や猫たちの保護が義務付けられました。
2012年、エルドアン現大統領が首相だった時に、
野良犬・野良猫たちを「公園」に収容するという法案が
提出され検討されたようです。
これは表向きは「動物の福祉のため」とうたわれたようですが、
イスタンブールでは大規模なデモが起きました。
犬や猫の殺処分につながるという理由からです。
人々の大きな抗議の結果、この法案の可決は見送られました。
手厚い動物保護法
一般的にはトルコの犬たちには狂犬病予防のワクチンが打たれます。
ワクチン接種が終わった犬たちには、耳にタグが付けられ、
元いた場所に返されます。
イスタンブールでは、犬や猫の避妊・去勢手術が積極的に行われています。
手術が終わった猫たちは、耳の端がカットされたり、
V 字型に切り取られたりして手術が終わったことが分かるようになっています。
日本のTNRに似ていますね。桜猫とか呼ばれる避妊、去勢済みの地域猫が日本にもいます。
ただ、イスタンブールの場合は、
犬猫たちを完全に排除することが目的ではないので、
避妊・去勢手術が徹底的に行われているわけではありません。
とはいえ、犬も猫も子供を一度にたくさん産みますし、
数を調整しないとどんどん増えていくのは事実。
これは世界的に、動物愛護の悩ましい問題です。
路上犬猫たちが病気やけがをした場合は、
自治体に電話をすると引き取りに来てくれます。
治療を行った後に、回復すれば元居た場所に返されます。
もちろん、こちらの対応も各自治体に任されているようです。
日本の、名ばかりの動物保護法とは全く違うようですね。
トルコでの路上犬猫を守る取り組み
トルコではなんと、街中に
ペットボトルごみを、犬猫たちのフードと交換できる
自動販売機が設置されています。
徳島新聞の記事ですが、リンクから全文が読めます。
素敵な取り組みですね。
この事からも、トルコ・イスタンブールでは、
犬や猫に優しい街、と言われているのでしょう。
ほぼ全編犬目線で撮影されたドキュメンタリー 『ストレイ 犬が見た世界』
そんなトルコ・イスタンブールを舞台にした、
犬目線で撮影された、人が見るための映画。
そんな映画が、2022年、3月に公開されます。
タイトルは『ストレイ 犬が見た世界』。
舞台となるトルコは、世界でも珍しいほど犬との歴史と関係を持つ国。
トルコ人は全体的に猫や犬に寛容ですが、
その中でもイスタンブールは特に猫や犬に優しい都市だと言われています。
ほぼ全編が犬目線で撮影されたドキュメンタリー映画。
犬、猫殺処分ゼロの国トルコ・イスタンブールの街で暮らす野良犬たち。
ここではまるで風景に溶け込むように、
自然に人間と犬が共存生活を送っている。
彼らの視点で街を見渡せば、
人間社会が持つ様々な問題と愛に満ちた世界が同時に見えてくる。
『ストレイ 犬が見た世界』はそんなトルコ・イスタンブールでの
犬たちが自由に街を歩き、人間との共存社会を築いている姿を追ったもの。
「愛と人生を教えてくれた」と言うキャッチコピーは、
わたしたち、動物飼いの心にぐっと突き刺さりますね。
今日のヒメちー
そうですよ、犬も猫も、箱も大事にして下さい。
まったく、ここのうちの人間と来たら…。ぶつぶつぶつ…。
今日は結構寒いのに、箱から出て来ないヒメちー。
ストーブ、ついてるんだけどな。
今年最後の資源ごみだったから、
いくつか箱を処分したことを根に持ってるみたい。
ねぇやんだって無限に箱を置いておいてあげたいけれど…。
そうもいかないのよー。
コメント
イスタンブールは死ぬまでに絶対一回は行くって決めている国なんですよ(^^♪
街角に犬小屋とか普通に置いてあるみたいですね(^^♪
過去の歴史はやはりどの国も覆いたくなるものがあると思いますが、それをしっかりと教訓として活かしているのが素晴らしいし、今後も続けていってほしいところですよね(*´ω`*)
ペットボトルとフードの交換は知らなかった!素晴らしいアイデアだと思います(^^♪
わたしもです。ビー玉さんも行きたいって言ってたし、
みんなで行きましょー(´▽`*)
そうなんです、猫の小屋だけで名K、犬のおうちもあちこちに。
個人様の写真しか発見できなかったので、貼れませんでしたが…。
ペットボトルのフード交換システムは、コロナで収入減した国民が多く、
犬や猫のエサ代まで回らないと考えての事なんだそうです。
良いお金の使い方♪