托卵する鳥、カッコウの珍しい生態。
先日、カッコウの名前の由来について書いたのですが、
調べれば調べるほどに面白いカッコウの生態。
カッコウと言えば、「托卵」を行う鳥として有名。
カッコウは主にオオヨシキリ、ホオジロ、モズ等の巣に托卵します。
托卵の際には巣の中にあった卵をひとつ持ち去って数を合わせます。
持ち帰った卵は…どうするのでしょうね。
まさか食べ…。
カッコウの子供に餌をあげるアフリカマミハウチワドリ。
カッコウの成長の大きさは全長35cm。大きいですね。
と言う事はヒナも相当大きいはず。
お母さんの方が明らかに小さいですね。
鳥図鑑より
カッコウのヒナは短期間（10-12日程度）で孵化し、
もとの巣の持ち主のヒナより早く生まれることが多い。
先に生まれたカッコウのヒナは巣の中の卵やヒナを巣の外に放り出してしまい、
自分だけを育てさせるのです。
孵化までの期間が短いから可能なのでしょうね。
また、ある個体が巣に卵を産みつけた後、
別の個体が同じ巣に卵を産むことがあるそうで、
2つの卵がほぼ同時にかえった場合、2羽のヒナが落とし合いをすると言う、
ヒナの頃からなかなかハードモードな生活をするようです。
アフリカマミハウチワドリの卵に混ざったカッコウの卵。
卵の頃は大きさに差がないので
お母さん鳥は気づかず抱卵するのでしょうね。
托卵されてしまう側の鳥も本能的に
「カッコウは危険！巣を守らなければ！」
と認識しているため、カッコウがいると大きく鳴いて攻撃を仕掛けます。
また、追い払ったとしても隙をついて卵を
産み落とされてしまった後でも、
なんと育児放棄という方法で報復をすることもあるようです。
托卵もばれる時がある。ばれたらどうなるの？
カッコウが托卵すると気付かれる3つの考えられる原因は？
カッコウが托卵する鳥のほとんどがカッコウよりも小さい種類のものです。
なので当然雛も大きさがまるで違います。
托卵が成功し、カッコウが自分以外の卵を落とすことが出来ていれば
気付かれにくいですが、もし本当の托卵先の雛もいた場合は比較できてしまいます。
そして、他の雛よりも大きい＝自分の雛ではないと気付くという説があります。
カッコウと托卵された鳥とは、大きさだけでなく体の色も全く異なります。
カッコウの雛だけであれば気付かれづらいですが
こちらももし比較対象となる自分の雛がいれば違いに気付ける可能性がありますね。
もう一つは鳴き声です。
鳥のヒナなど、みんな同じ鳴き声に聞こえてしまいますが、
実は個体によって、雛の時でもやはり多少の鳴き声の違いがあります。
これも、他にヒナがいない場合には気づきにくくても
もし他の雛と比較されてしまったら見抜かれてしまいます。
ということで、体の大きさと色、そして鳴き声
といったものでバレてしまうという説ですが
いずれも本当の雛が他に孵化していた場合にのみ、
違いに気づけるのかもしれません。
実はカッコウの中には卵の柄も雛も
仮親の雛に似せて進化を遂げた種類もいるそうです。
動物の進化の可能性には驚くばかりですね。
托卵された親がするカッコウのヒナへの報復
自分が育てていたのはカッコウの雛だと気付いた仮親は
もうその雛の世話を一切しなくなると言われています。
そうなるとカッコウにとっては、雛が育たずに繁殖が失敗に終わります。
名を育てず、繁殖させない、という事が何よりも報復となるわけです。
托卵も相当むごい印象がありますが、その報復方法もなかなか…。
子の行動には自然界の厳しさを感じますね。
カッコウがなぜ托卵をするのかというのは未だ完全には解明されていないようですが、
他種に托卵する鳥は体温変動が大きい傾向があるため、
体温変動の少ない他の鳥に抱卵してもらった方が
繁殖に有利になりやすいのではないかという説が有力なのだそうです。
今日のヒメちー
ん？ヒメちー、何してるの？
いや、えっと…。
カッコウが托卵すると聞いて、
ヒメの巣に産んで行っちゃっていないかと思って…。
じ―。
大丈夫です、いませんでした。
それは良かった。と言いたいところだけれど…。
もしも卵が入ってたら、
ヒメちー、あなた抱卵するつもりだったの？
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