新大陸発見者であり、略奪者であり、殺戮者だったコロンブス【コロンブスによってもたらされたもの】

 

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コロンブスは実は略奪者だった?

 

コロンブス(Columbus). クリストファー・コロンブス は

イタリアの探検家・航海者・商人。

Wikipediaより

 

キリスト教徒としてはじめてアメリカ海域へ到達した、

15世紀半ばから17世紀半ばまでの大航海時代の

言わずと知れた人物。

出典不明

 

主にポルトガルとスペインにより行われた大航海時代が始まってまもなく、

イサベル1世の庇護を受けてスペインを出発した

クリストファー・コロンブス船長率いる船団は、

10月にサン・サルバトル島に上陸し、カリブ諸島に次々と上陸していきました。

いわゆるカッコつきの「新大陸発見」です。

乗組員とともに新大陸に立つクリストファー・コロンブスを描いた絵画

 

それ以前に先住民がいたのに、

ヨーロッパ人が到達したことをもって「発見」と称するのが

植民地主義的でイケ好かない、という意見が多く

コロンブスを説明するときにも

『新大陸の「キリスト教徒としてはじめての発見」者』

などとカギ括弧付きで紹介されたりします。

正確には「発見」ではないんだぞ、という含みですね。

実はアメリカ大陸はコロンブスが発見するよりも500年ほど前の

起源1000年ころにカナダ東部、ニューファンドランド・ラブラドール州に

ヴァイキングが入植していることが確認されています。

なので後に「キリスト教徒で」と言う注釈がつくこととなりました。

なお、コロンブスはアメリカ大陸をインドの一部だ、と思っていたそうです。

コロンブスは上陸した地で、黄金を略奪したり、

インディアンを大虐殺したり、と好き放題暴れまわりました。

白人による黒人支配はここから始まったと言われています。

出典不明

 

略奪の限りを尽くしたのち、コロンブスは帰国します。

こう書くと、コロンブスはただの略奪者…。

ただ黄金にしか興味のなかった彼を称するのには

あながち間違いではありませんが、

コロンブスの「新大陸発見」によって、

後にコロンブス交換と呼ばれる

東半球と西半球の間の植物、動物、食物、奴隷を含む人びとなど

甚大で広範囲にわたる交換を行いました。

ここは略奪はしなかったのですね。

 

 

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コロンブスの交換って何?

 

1492年から続いた東半球と西半球の間の

植物、動物、食物、人口(奴隷を含む)、

病原体、鉄器、銃、宗教、思考などの

甚大で広範囲にわたる交換を表現する時に用いられる言葉。

1492年のクリストファー・コロンブスの「新世界」への到達にちなみ、

コロンブス交換と呼ばれるのだそう。

これは非常に不平等な交換であったと言われています。

 

 アメリカ大陸→ヨーロッパ

アメリカ大陸からは、私たちの食卓に欠かせない食べ物がヨーロッパへ伝わりました。

まずはトウモロコシ。

メキシコ原産のこの作物は、アメリカ大陸の主要作物として古くから栽培され、

マヤ文明やアステカ文明、インカ帝国の食料的な基礎を担いました。

コロンブス交換によってヨーロッパに渡ったトウモロコシは、

すぐに広まり、ヨーロッパ全土に定着します。

やがてトウモロコシは人間の食料や家畜の飼料として世界中に普及することになります。

続いてアンデス原産のジャガイモが伝わりました。

ジャガイモは寒さに強いため、

ドイツやポーランド、アイルランドで主食となりました。

とりわけアイルランドのジャガイモに対する依存はかなり強く、

1840年代後半に起こった「ジャガイモ飢饉」では、

膨大な数の餓死者を出しました。

伝来当初は、船中で発芽したじゃがいもをうっかりと食べて毒にあたったり、

聖書に載っておらず、種芋で増えるという理由のため

「悪魔の植物」と呼ばれ嫌われたりしたそうです。

さつまいももコロンブスがヨーロッパへ持ち帰った作物です。

トウモロコシとジャガイモ、さつまいもは

18世紀のユーラシア大陸では非常に重要な作物となり、

1世紀かからずに日本にも持ち込まれたそうです。

イタリア料理の要、トマトもアメリカ大陸からヨーロッパにやってきた植物の一つです。

しかし、真っ赤なトマトは食用となるには時間がかかり、

はじめは観賞用として栽培され、

18世紀ごろイタリアで本格的に食用利用されるようになりました。

そのほか、トウガラシ、落花生、カカオ、

かぼちゃ、ピーマン、七面鳥などの食物が

アメリカ大陸からヨーロッパにもたらされました。

 

 アメリカ大陸←ヨーロッパ

逆に、ヨーロッパからアメリカ大陸にもたらされた食べ物もあります。

まずは「小麦」。

メソポタミアやエジプトなど、古くから旧大陸で栽培されてきた小麦は、

「コロンブス交換」を通じて新大陸へ渡りました。

そして小麦はアメリカ大陸に定着し、主要な穀物となりました。

現在でもアメリカやカナダは小麦の主要生産国です。

サトウキビもアメリカ大陸にもたらされた作物の一つです。

このサトウキビはイギリスやフランスによる植民地支配の際に

プランテーション栽培され、三角貿易における重要な品目となりました。

 

 植物以外でコロンブス交換された動物たち。

ラクダ
ウシ
ロバ
家禽(キジカモ類、ニワトリを含む数種)
ヤギ
ウマ
ブタ
ネコ
ウサギ
ラット(ドブネズミなど)
ヒツジ
アルパカ
家禽(バリケン、シチメンチョウに代表される数種)
テンジクネズミ
アライグマ
リャマ
シチメンチョウ

『ビッグヒストリー大図鑑:宇宙と人類 138億年の物語』より

 

この植物と動物の交換はヨーロッパ、アメリカ、

アフリカ、アジアの生活様式を大きく変えました。

以前は見たことのない食物が食され、新しい農作地帯が耕作されました。

ただし、ここでは多くの感染症もまた交換されることに。

コレラ、インフルエンザ、マラリア、麻疹、ペスト、

猩紅熱、睡眠病、天然痘、結核、腸チフス、黄熱などが、

ユーラシアとアフリカからアメリカ大陸へもたらされました。

一方、アメリカ大陸より旧大陸にもたらされた感染症には、

人獣共通感染症であるシャーガス病、性病として知られる梅毒、

イチゴ腫、黄熱(American strains)があります。

ヨーロッパの疫病が新大陸で猛威をふるった顕著な例として、

1545年から1548年にかけてのメキシコでの大流行があり、

このときメキシコ中央部では先住民(インディオ)の約8割が死亡したといわれています。

征服から1世紀経ったのち、メキシコの先住民の人口は

征服直前のわずか3パーセントにすぎなかったという試算もあるくらいです。

そのくらい、人は未知の病原菌に弱いという事でしょう。

空路や水路の発達で、世界が小さくなった現在の

コロナなどの新しいウイルスに人類が弱いのはこのころからなのですね。

 

もしコロンブスがいなくて、アメリカ新大陸が「発見」されていなかったら、

今の私たちの食生活はどうなっているのだろうかと

想像することがあります。

もちろん、コロンブスがいなくても必ず他の誰かが「発見」していたに違いありませんが。

もしかしたらその発見はわたしがしていたかも…。

 

 

今日のヒメちー

 

あ、我が家の略奪者、来た。

略奪者とは失礼ですね。

こんなところにバッグが置いてあれば匂うのが礼儀でしょう。

うん、これはいけそうですね。

なかなかのフィット感です。

ヒメちー、それ、ねぇやんのバッグ…。

略奪者以外の何だろう…。

やだなー、ちゃんと等価交換してるじゃないですか。

侑子さんも言ってたでしょ。

過不足なくって。

もらいすぎも良くないんですよ。

えー。もしかして、写真を撮らせてもらえるのが対価…?

なんだか不平等な気がするわ。

 

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