ゴディバのチョコをただ食べるだけじゃもったいない。「GODIVA」の名の由来と馬に乗るゴディバ夫人伝説を別視点から考えてみた。

 

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ゴディバのチョコレートに描かれたシンボルマークの由来。

 

バレンタインデーは終わってしまいましたが、

いつ食べても美味しいゴディバのチョコレート。

結構なお値段なので、うちではアウトレットに行って

大量買いしていたのだけど、コロナでずいぶん行けてない。

ショップでちょろちょろと買うけれど、やっぱ高ーい。

そんな高級チョコ、ゴディバのマークにもなったゴディバ夫人。

ゴダイヴァ夫人ともゴディバ夫人とも呼ばれますが、

そのゴディバ夫人にまつわるお話。

夫の圧政を諌めるためマッパで街を行進する事になってしまったと言う、

逸話が残されています。

「GODIVA」の名の由来

「ゴディバ」の名は、11世紀の英国の伯爵夫人レディ・ゴディバに由来します。
「ゴディバ」のシンボルマークである、馬に跨った裸婦こそが、
重税を課そうとする夫を戒め、苦しむ領民を救うために、自らを犠牲にした誇り高き彼女の姿です。

Godiva公式HPより

 

なおこの話は、鋭い視点で絵画の裏の裏を読み解く

「大人の美術館」をオマージュしたものです。

 

パクリとも言う。←潔い。

 

 

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絵画・レディ・ゴダイバ(Lady Godiva)に見るゴディバ夫人像

 

 モラハラ亭主と貞淑な妻。

時は11世紀のイギリス・コヴェントリー。

領主レオフリックの妻であったゴディバ夫人は、慎み深く、慈愛に満ちた女性でした。

一方、レオフリックは横暴な政治を行い、領民に重税を課し、

教会も自分の手中に治めていた権力者でした。

ある時、ゴディバ夫人は夫に重税を止めるよう懇願しました。

しかし、領主であり、夫のレオフリックは

「裸になり、馬に乗ってコヴェントリーの街を歩けたら考え直してやろう」

と貴族の婦人にはとうてい無理な難題を持ち掛けました。

慎ましやかな夫人がそんなことはするわけないと踏んでのことでしょう。

ところが、領主レオフリックの予想に反して、ゴディバ夫人は馬に乗り、市中を歩きます。

後の絵画に描かれた馬に乗るゴディバ夫人。

ジョン・コリア/レディ・ゴダイバ1897年 ハーバード美術博物館蔵

 

うなだれて、物悲しげ。

女性が、街中を馬に乗ってとはいえ、裸で走る。

レディ・ゴディバの自己犠牲の姿勢と、恥じらう気持ちの葛藤が、

触れてはいけないような「禁忌的な美しさ」を感じます。

けれどこれではまるで市中引き回しの刑。

ただここで一つの疑問。

わたしだったら、恥ずかしくていたたまれなくて、早くこの場から逃げ出したいと思うでしょう。

つまり、ゆっくりとは馬を歩かせない。

出来る限り、馬に疾走することを求めます。

実は、ゴディバ夫人が馬に乗る前に、

街中に「家の中に籠もって窓を閉めろ」という通知が夫人から前もってあったとも言われています。

コヴェントリーの領民たちは領主レオフリックを嫌っていた一方、

ゴディバ夫人を大層慕っていたので、

彼女の「英雄的な行動」に感謝し、

言われたとおりに家に籠っていたと言われています。

誰も見ていなかったとしても無理。

もしも、意地悪な夫レオフリックが

「走ってはならない」と言ったとしても

なるべく馬に身を隠すようにするでしょう。

この絵に描かれているゴディバ夫人からはそのような様子はありません。

 

 理想と妄想が交錯するゴディバ夫人観。

夫人が乗る馬は実際何色の馬だったのかわかりませんが、

白い馬として描かれていることが多くあります。

白い馬は昔から世界中で聖なる動物とされ、特別視されてきました。

貴族も白馬を気品ある動物として好んだと言われています。

「白馬に乗った王子様」という表現もありますしね。

気高い夫人の乗る馬は、当然白馬であろうという価値観が

様々な絵から見て取れます。

このジョーンズの作品では、

人々が夫人を慕って集う様子は、まるで宗教画のような趣もあります。

ジョージ・ジョーンズ「コヴェントリーの街を歩く準備をするゴディバ」1833年

 

「馬と乙女」の組み合わせは、

西洋ではキリスト教美術でよく見られます。

一角の馬、ユニコーンは処女にしか懐かないと言われていますし、

純潔な乙女を連れてユニコーンをおびき寄せる場面はよくあるモチーフの1つです。

状況は全く違うものの、

その聖性をレディ・ゴディバ伝説に重ね、絵を描いたのではないでしょうか。

 

 力強く、確固たる信念を持つゴディバ夫人。

コヴェントリー通りにあるゴディバ夫人の銅像です。

こちらは打って変わって、堂々としたいでたち。

力強い意思のようなものが見て取れます。

確かに恥ずかしいけれど、

銅像のゴディバ夫人には確固たる信念があり、

裸で馬に乗ることなど、気にもしないほどに

気高く、美しく、誇らしげでもあります。

女は恥じらうもの。

男性目線のガッチガチの固定観念が

恥ずかしげにうつむくゴディバ夫人像になったのかもしれません。

 

 

伝説のロックバンド、Queenの描くゴディバ夫人。

 

言わずと知れたイギリスの人気ロックバンド、

Queenの楽曲にもゴディバ夫人が登場します。

Queenの1978年に発表されたDon’t stop me now。

 

このDon’t stop me nowの中では、

I’m a shooting star leaping through the sky
Like a tiger defying the laws of gravity
僕は空を駆け抜ける流星
虎みたいに重力の法則に逆らう

I’m a racing car passing by like Lady Godiva
I’m gonna go go go there’s no stopping me
俺はレース用の車さ ゴディバ夫人のように通り過ぎる
俺を止めるものは何もない

と歌われています。

この曲は、Queenのボーカリスト、Freddie Mercuryの作詞作曲。

彼は、セクシャルマイノリティーとして知られています。

男と、女のその両方の気持ちがわかる。

だからこそ、力強く疾走するゴディバ夫人を

レーシングカーの様に疾走する、と表現したのかもしれませんね。

 

 

ゴディバ夫人の真実

 

まだ女性の地位が低かった時代。

男に、ましてや夫に反抗的な女性など、ありえない事だったのでしょう。

モラハラ的に、無理難題を言う夫。

夫に確実な約束をさせ、実行してしまう女。

ビターだったりスパイシーだったり。

ただ甘いだけのチョコレートとは違い、

いろんな顔を見せるゴディバのチョコレート。

真実はゴディバ夫人にしかわかりませんが、

少なくとも、辱めを受けている、と言う顔ではあってほしくないものです。

 

 

今日のヒメちー

 

ねぇやんは食べ物の話だと生き生きしてますね。

え?そ、そうかなあ…。

でも好きな物の由来とか知るの、楽しいじゃない。

まあ。ヒメには関係ありませんが。

 

あら、ヒメちー、おねむなの?

馬にまたがって疾走する夢でも見てねー。

 

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