タイタニック号とともに沈没し、子猫とともに犠牲になった「船員猫」がいた

 

 

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「船乗り猫(Ship’s cat)」と言う、働く猫。

 

猫は泳ぎは得意でない場合が多く、

体が水に濡れることを嫌う生き物ですが、

「船乗り猫(Ship’s cat)」と言う、猫の船員がいました。

 

オスの三毛猫・たけしは航海のお守りとして南極船に乗りましたし、

 

多くの猫たちは、船の中のネズミを退治する、と言う大役を担っていました。

ネズミは帆やロープを齧ってしまう他、

積み荷や食料にも被害を与えてしまう。

また中世紀以降は、船のネズミはペストの媒介者としても知られていました。

技術が進歩した近代においても電線を齧って断線させたり、

ショートの原因を作る犯人とされています。

そのネズミを退治してくれる猫。

また猫は荒天を遠ざけるといった迷信もあります。

こういった理由から様々な有名な「船乗り猫(Ship’s cat)」が誕生し、

活躍していたのです。

かの有名な豪華客船タイタニック号にもJennyと言う「船員猫」が乗っていたと言われています。

 

 

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タイタニック号の悲劇を軽くおさらい。

 

豪華客船タイタニック号の沈没事故は、

20世紀の悲劇の中でも最大のもののひとつです。

映画をご覧になったことがなくとも、

このシーンはご存じの方もいらっしゃると思います。

映画・タイタニックより

 

当時世界最大の客船であったタイタニックは、

1912年4月14日の23時40分に氷山に衝突した時には2,224人をの乗客を乗せていました。

何千人もの乗客が亡くなり、犬や鶏を含む動物たちも命を落としました。

当時の船長は「女性と子供を乗せて降下させよう。」

(”women and children in and lower away.”)と命じたことで、

女性の生存率74%、子どもの生存率52%だったのに対し、男性の生存率は20%でした。

緊急の際、男性より女性と子どもを優先して避難させるという概念は

「バーケンヘッド・ドリル(Birkenhead Drill)」ともいい、

1852年に南アフリカで沈没したバーケンヘッド号で行われたのが最初とされています。

明確な定義はなく、あくまで道徳や倫理、社会規範としての利他的行動ですが、

タイタニック号沈没の際には、

女性、子供、男性、船員、と言う避難方法がとられました。

この際、年老いた男性が、「自分よりも未来ある若者を優先してくれ」と言ったとか。

イギリス紳士の紳士的な行動が称賛されました。

救命ボートの数は圧倒的に足りず、

ボートに乗れなかった乗客のそのほとんどは低体温症で死亡した、と言う、

現代でも海難事故としては最大級のものでした。

この事故では、ほかにも動物たちが亡くなりました。

船上にいた少なくとも12匹の犬のうち、生き残ったのは3匹だけでした。

 

 

「船乗り猫(Ship’s cat)」は船員扱い?

 

船の沈没という緊急かつ絶望的な状況下で、

船長や船員がとった勇気ある行動として広く知られるようになりました。

そのころ、船はネズミを駆除するために猫を乗せていました。

また、マスコットとして、長い航海でホームシックになった船員の士気を高めるのにも、

猫の存在は役立っていたのです。Jennyもそんな「船員猫」でした。

この猫はもともと同じ会社が運航する別の船の船員猫でした。

Jennyのネズミ捕りの腕前は一級品で、

その腕前を買われ、より大きなタイタニック号に移され、

増え続けるネズミの退治係を立派に勤めていたのです。

当時は食堂だけでなく、船内のあちこちにネズミが出没して、

乗客を恐怖に陥れていたといいます。

 

 船とともに沈んだJenny

当時、ペットを船内に持ち込めたのはファーストクラスの乗客だけで、

それ以外のペットは犬小屋に収容されていました。

船が沈み始めたときに誰かが犬小屋の扉を開けたため、

犬たちは恐怖で船内を走り回り、人々をさらに混乱とパニックの渦に巻き込んだといいます。

幸いなことに、飼い主とともに救命ボートに乗った犬3匹は生き延びることができました。

大きな事故でしたし、当時の現場の混乱から、猫のJennyの記録は残っていません。

事故が起きたとき、乗客のペットのなかには飼い主とともに救命ボートに移り、

生存できたものもいました。生存できた犬はいずれも小型犬だったと言います。

しかし船員だったJennyは、そうした特別待遇を受けられなかったのです。

タイタニック号に乗り組んだとき、Jennyは妊娠中だったそうで、

出航前に子猫を数匹出産していたといいます。

猫が航海のお守りと言うのならば、

Jennyはその役割を果たせなかったのでしょうか。

 

 Jennyはタイタニック号に乗船していなかった?

やがて数年後に奇妙な噂が広がり始めました。

タイタニック号が出発港であるサウサンプトンの港にいたとき、

「母猫が子猫たちを連れて下船するのを見た」という男性がいるのです。

彼は不吉を感じて予定していた乗船をやめたといいます。

Jennyはこのとき、下船し、生き残ったのでしょうか。

沈没する船からはネズミがいなくなる、と言います。

危険を感じて下船し、生き、幸せに暮らしたと信じたいです。

 

 

今日のヒメちー

 

ネコ族は危険を察知する能力が高いと言われていますし、

Jennyは無事、下船したと思いたいです。

むしろ船乗り猫のJennyがいなかったから、

タイタニックは沈没したと言ってよいくらいかもしれません。

なるほどー。

そういう見方もあるわね。

ところで、その…。

ヒメちー、その寝相は苦しくないの?

大丈夫です。

劣悪な環境に身を置いても

猫はそれを楽しむ術を知っているのです。

劣悪とかひどくない?

ねぇやんの汗がしみこんだ踏み台ですが、

これもまた心地よきもの。

急いでヒメの匂いにしなければ、と言う使命もあります。

ヒメの踏み台だったはずなのに、

ねぇやんが勝手に使うから…ぶつぶつ…。

いや。これはねぇやんの踏み台。

あ…。

もしかして、ヒメちーがくつろいでいるってことは、

このうちは安泰ってこと?

 



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