【頭かくして尻隠さず】の意味と語源、英語ではダチョウがとばっちりを受ける。

 

 

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動物にまつわることわざ・「頭隠して尻隠さず」とは。

 

「頭隠して尻隠さず」は、日本を代表する

生き物の習性を例えた言葉です。

例えば「猫に小判」のように。

 

この「頭隠して尻隠さず」は、「隠したつもりが隠しきれていない」ことを意味しますが、

ことわざの由来となる生き物が何かをご存知でしょうか?

やっぱり人?

「頭隠して尻隠さず」の意味と語源に加え、使い方の例文や類語を紹介します。

 

 

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頭隠して尻隠さずの意味と語源は?

 

「頭隠して尻隠さず」は、悪いことや恥ずかしいこと、

自分の欠点などについてほんの一部だけを隠して

全て隠したつもりでいることを表したことわざです。

ことわざ辞典によると、

「悪事やいたずらなどをして、当人は証拠を隠したつもりでいるが、
肝心なところで抜かりがあり、すぐに露見するさまをたとえていう。」、

「実際には欠点の一部しか隠せていないのに、
欠点の全てを隠しているつもりになって現実から目をそらしている、
愚かなさまをあざける。」となっています。

実際に頭を隠して、尻が見えているさまをいう訳ではありません。

だいたい、どうしてそういった状況に陥るのか。

頭寒足熱、という言葉はあれど、

頭熱尻寒と言う言葉はありません。

この言葉の語源は、何と鳥のキジだったのです。

 

 「頭隠して尻隠さず」の語源は”雉”の習性

ことわざ「頭隠して尻隠さず」の由来となった生き物は、

日本の国鳥に指定されている「雉」(きじ)です。

Wikipediaより

 

雉の雄は、顔が赤く、首は青、首から下の体は光沢ある深緑と、

鮮やかな色合いの目立つ姿をしており、後ろに長く伸びる尾を持っています。

雉は危険を感じると草むらのなかに身を隠そうとします。

しかし、頭を草むらの中に隠しても長い尾は草むらに隠れずはみ出たままとなります。

その様子が「頭隠して尻隠さず」のことわざの語源となっています。

悪事や欠点などの一部を隠してすべてを隠したつもりでいることを表すことわざになりました。

 

 

その他の「頭隠して尻隠さず」の類語となることわざ・慣用句

 

 「雉の草隠れ」は”頭隠して尻隠さず”と意味・由来が同じ

「雉の草隠れ」(きじのくさかくれ)とは、

雉が草むらに頭だけを隠し、

尾は草むらから飛び出したたままの状態を表した言葉。

「頭隠して尻隠さず」とは同じ意味と由来を持つ、類義語となります。

 

 「団子隠そうより跡隠せ」は”頭隠して尻隠さず”と意味は同じ。

「団子隠そうより跡隠せ」(だんごかくそうよりあとかくせ)は、

「思わぬところからばれるかもしれないので注意せよ」の意味を持つことわざ。

こっそり団子を食べても串を片付けることを忘れると

そこから団子を食べたことがばれてしまうことを例えとしています。

頭を隠しても尻を隠せていない「頭隠して尻隠さず」と同じ意味合いとなります。

 

 四字熟語「蔵頭露尾」

四字熟語「蔵頭露尾」も”隠しきれていない”の意味をもちます。

日常生活においては聞く機会が少ない言葉ですが、

「蔵頭露尾」(ぞうとうろび)は、

「頭隠して尻隠さず」と同じ意味合いを持つ四字熟語です。

「蔵」は「隠す」、「露」は「あらわす」や「さらけだす」の意味をそれぞれ持っています。

隠していないのが「尻」であるか「尾」であるかという点に違いはありますが、

「蔵頭露尾」も「隠しているのに隠しきれていない」の意味を持つ類語となります。

 

 口語「ばればれ」の意味

「それ、ばればれだよ」など若者から大人までが日常的に使っている「ばればれ」も、

「頭隠して尻隠さず」と近い意味合いを持っています。

「ばればれ」とは、本人が隠しているつもりでも

周囲にはすっかりばれている状況であることを表している言葉です。

隠しきれていないどころか、

全く隠すことができずにばれている状態のため、

「頭隠して尻隠さず」とは意味合いが異なります。

 

 猫にも「キジ」はいるけれど…。

余談ですが、我らが猫にも「キジ」と呼ばれる柄の猫がいます。

鳥のキジとは大きく異なった、どちらかと言うと地味な見た目です。

 

 

「頭隠して尻隠さず」、英語でも同じ言葉はあるのか。

 

日本語のことわざと、英語のことわざは、

表す意味は同じでも違う言葉が使われることがあります。

例えば「船頭多くして船山に上る」。

これは指示する人が多いと、船は見当はずれの方向に進んでしまうと言うような意味です。

英語でのことわざは、「Too many cooks spoil the broth.」

直訳すると「料理人が多すぎるとスープがまずくなる」です。

意味としては、まあ、通ずるものがありますが、

表現方法が全く違います。

ことわざの「頭隠して尻隠さず」の英訳では、

「駝鳥」(だちょう)を意味する“ostrich”を使います。

Wikipediaより

 

「The foolish ostrich buries his head in the sand and thinks he is not seen.」を日本語に訳すると、

「愚かな駝鳥は砂の中に頭を隠すことで隠れたつもりになる」となり、

「頭隠して尻隠さず」同様の「一部を隠して全て隠したつもり」の意味となります。

駝鳥は敵に追いかけられたときや危険な状態と感じたときに、

砂に頭を隠して現実から逃避する習性を持つことに由来した言葉です。

が、ダチョウ、実は頭を砂の中に入れているわけではないのです。

ダチョウは砂地に穴を掘り、卵を産みます。

その卵を守るさまをこのように言われてしまい、

ダチョウにとっては飛んだ濡れ衣です。

 

「頭隠して尻隠さず」は

悪事や欠点などの一部を隠して、

全部を隠しおおせたと思いこんでいる人間を嘲笑(ちょうしょう)する言葉なのです。

 

 

今日のヒメちー

 

あら。これはまた見事な「頭隠して尻隠さず」。

それとも、これはおちりはおさわりしてもいいと言う事かしら。

違います。

これは、その…。

ちょっと間に合わなかっただけです。

数分前のヒメちー。

ねぇやんのバッグです。

ヒメは知っています。

これはヒメは入れない、意地悪なバッグなのです。

もう学習しました。

腹いせにちょっとかじっておこうと思います。

がぶがぶがぶ…。

…ばれていましたか…。

いえ、ここはしらを切りとおすのが猫と言うもの。

やっていませんよー、と言うことを貫きます。

これで全部隠れたはずです。

ええ、ヒメのいたずらも。

残念。

それでもお耳が見えてるわー。

まさにこれが「頭隠して尻隠さず。

 




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