キプロス島で猛威を振るった「猫を殺すコロナウイルス」英国でも初確認
FIP(猫伝染性腹膜炎)は、発症のメカニズムが解明されず、
治療法も確立されていないことから、現在でも研究が続けられている病気です。
FIPは、ネココロナウイルス(の変異型FIPウイルス)を原因とし、
主に若い子猫で発症します。
コロナウイルス感染症の一種である「猫伝染性腹膜炎」(FIP)です。
ほぼ100%死に至る病気で、恐ろしく進行も早いです。
無治療の場合、中央生存期間9日と言われています。
あっという間に伝染し、多頭飼いではすべての猫が罹患すると言ってよいでしょう。
治療だけでなく、症状も多岐にわたるため診断も非常に難しく、
あっという間に手遅れになる本当に怖い病気です。
もとのネココロナウイルスは野良猫、
ブリーディング猫に広く蔓延しており、
FIPという病気自体それほど珍しいというわけではありません。
そのFIPが、猫の楽園キプロスで猛威を振るい、
キプロスからイギリスへ渡った猫が発症し、
イギリスでは警戒を強めています。
症状は軽い下痢や倦怠感などですが、
大部分の猫は無症状であるため、
発見が遅れてしまい治療が難しくなります。
キプロス島では、この変異型コロナウイルスのために
半年間で約8000匹の猫が亡くなったと公表していますが、
実際には30万匹以上が死亡したという説もあります。
FIPウイルスは汚染された糞便を通じて広がると考えられます。
感染した猫と同じトイレを使ったり、
外を歩いた足を舐めたりすることで、ほかの猫に拡散していきます。
また、人間が「運び屋」となることも。
GS-441524(GS)、FIPの救世主となる
これまで治療の方法が確定されておらず、
対処療法や高額の代替治療しかなかったFIP。
近年ではレムデシビルやモルヌピラビルといった
人の新型コロナウイルスに対する抗ウイルス薬が、
FIPに対しても効果があるとして注目されています。
レムデシビルやモルヌピラビルは
「RNAポリメラーゼ合成阻害剤」といって、
ウイルスが複製されるのを阻害することでウイルスの増殖を抑えます。
ただし、これらの薬は動物用医薬品としては承認されていないため、
治療はまだ手探りの部分も多くあります。
そんな中、GS-441524(以下GS)という薬が
FIP治療に効果があると発表されました。
その論文では、GSによって治療したFIPの猫のうち、
8割以上もの猫に症状の改善が見られたとのこと。
100%の致死率だった病気、何匹もの猫が、飼い主が、
苦しめられてきた病気が、80%という高確率で治る。
世界中の獣医師が待望していた薬が見つかりました。
しかし製品化までには色々な問題があり、未だに正規品は流通していません。
そんな中、MUTIAN(現在の名称はXraphconn)という、
そのGSを無許可に商品化したものが出てきました。
FIPに罹患してしまう猫は今も後を絶ちません。
どれだけの猫が、飼い主が苦しんでいるか。
長年有効な治療法がなく、
発症すると致死率の高い病気として恐れられてきたFIPですが、
GS-441524(以下GS)が希望の光となるでしょう。
猫につきものの腎臓病治療。
FIP治療。
ひとの分野に比べ、遅れがちな猫の治療研究ですが、
まさか人のコロナウィルスの治療薬が猫のFIPに有効となるなんて、
ただただ憎きコロナですが、
一つ、よいこともあったと言えるのでしょう。
一番のFIP治療法は「感染させぬこと」
治療法が見つかり、実用化はまだであるものの
一つの希望が産まれました。
けれど、どんな伝染病、ウィルスにも言えることですが、
まずはFIPの原因となる猫コロナウイルスに感染させないことが一番です。
日本では認可されたワクチンもなく、
広く蔓延しているウイルスなので、感染を100%防ぐことは難しいです。
例えば人の靴の裏。
知らず知らずにして、人がウィルスの運び屋となる場合があります。
FIPに感染したものの、無症状の猫を触り、感染させることも。
ひとも、猫も、手洗いと言うものが
伝染性疾患の予防につながります。
また、FIPの発症に関しては、ストレスの少ない生活環境を整えることで
リスクを下げられる可能性があると言われています。
FIPはこれまでも全世界で発生していましたが、
今回の変異型ウイルスはとくに感染力が強いため、
多くの猫の命にかかわります。
なお、今回英国で初確認された変異型ウイルスは
もともと存在した猫コロナウイルスと犬コロナウイルスのハイブリット種で、
「F-Cov-23」と呼ばれています。
人間に大流行してパンデミックを起こした「Covid-19」とは別種のものです。
「コロナ」と聞くと、無駄に恐れを抱いてしまいますが、
ひとには伝染しません。
ひとのコロナパンデミックの初期のような、
猫を処分するような軽率な行動は控えるよう、
冷静に、ただし感染を広げぬよう注意しましょう。
今日のヒメちー
ひとの世界はコロナで大変でしたが、
猫だから、関係ないだろう、と言うことはありません。
ひとの勝手な思い込みで多くの同胞が、
無駄に命を落としました。
ヒメだって、ねぇやんはテレワークでずっとうちにいるし、
ままちゃんとのラブラブな日常が壊されたのです。
そのコロナ治療薬が、まさか猫の薬になるなんて。
世の中、悪いことばかりではありませんね。
そうよー、なんだかんだヒメちーだって、
ねぇやんとの生活、楽しんでるでしょー。
ひとには特効薬とはならなかった薬が、
猫のFIPの治療薬になる。
まだまだ研究段階ですが、
猫にとって最も死に近い病気・FIPが
恐れるものではない世の中が来るかもしれない。
絶望の先には希望がある、ってほんとね。
【同時購入特典】LOVE TRIGGER / We’ll go together
(初回盤A+初回盤B+通常盤セット)(内容未定) [ Snow Man ]
コメント