おもちゃではなくおもちゃの箱を作る。ままちゃんが。
あ、ままちゃん、何してるですかー。
楽しそうですねー。
微力ながらヒメもお手伝いをば。
…なんだかこの箱、見たことありますねー…。
ままちゃんが今作ってるのはフローリーキャットと言う、
ヒメちーのおもちゃの箱。
本来はこうやって遊ぶものなのだけれど、
ヒメちーはこうやって遊ぶ。
おもちゃ本体が見える部分が少なければ少ないほど燃えるらしい。
こうやって箱の中に体ごと入れて遊ぶことも。
なのでもう箱はボロボロ。
もはや箱として機能していない。
ずっと何か箱を、と思っていたらしいんだけど、
なかなかいい材料が見つからなかったの。
ビールとかジュースの入った段ボールだと、
折れ目が入っちゃってるからしっかり立たなくって嫌なんだって。
なんかすごいこだわり。
そしたらホームセンターで見つけた。
縦4尺、横3尺の折れ目の無い一枚物の段ボール。
しかも168円とかなりリーズナブル。
どこをお手伝いしたらいいですかねー。
ささ、ままちゃん指示を出してください。
…これは…。
ままちゃん愛用の物差し。
こいつ、なんだか気に入らないのです。
こいつめ、えいっ、えいっ!
ままちゃんはヒメちーの妨害にも慣れたもので、
淡々と進めていく。
あ、ヒメちゃん、ここしわになってるから、
座ってのしといてー。
ここですね。
…なんだか騙されたような気もしますが…。
あ、ままちゃん、ここ。
ここがなんだか気になります。
あ。これはヒメのおもちゃじゃないですか。なぜここに。
えー。ヒメちー、ねぇやんの話聞いてなかったの?
このおもちゃしまう箱を作っていたのよ。
なんだ、そうだったんですか。
だったらもっと早く言ってくださいよ。
もっと身を入れてお手伝いしたというのに…。
良きものが出来上がりましたねー。
これでまた存分に遊べると言うものです。
中途半端なふたの開け方でずっと置いてあったから、
すっかり変な風に日焼けもしちゃってるけれど、
ヒメちーの大事なおもちゃ。
完全復活ねー。
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