Woman’s Day Off 『女性の休日』北欧の島国はなぜ、「世界で最もジェンダー平等に近い国」であり続けられるのか。

 

 

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アイスランドには女性が活躍できる仕組みがある。

 

サラリーマンは会社が休みの際には休日です。

自営業者だって休みの日はあるでしょう。

休日には何をして過ごそう、なんて考えたりしませんか?

ところが1年365日、一切休みなく働く職業があります。

それは主婦です。有職主婦ともなればもっと。

1975年の10月24日。北欧アイスランドでは

この日に最初のいわゆる「女性のストライキ」が行われました。

このストライキ、女性の「休日」(kvennafrí)と呼ばれることもあります。

今でこそ、男女平等が世界一進んだ国、として

何かと話題にのぼるアイスランドですが、歴史を遡れば、

70年代の半ばには、決して女性の地位は高くありませんでした。

今日では閣僚の半数、国会議員のほぼ半数が女性ですが、

当時、女性閣僚はゼロ、議員も全60名中、3名しかいませんでした。

日本では1970年の時点で議員総数733人のうち女性国会議員は21人、

1960年第1次池田勇人内閣に衆院議員の中山マサ氏が厚生相で入閣。

日本初の女性大臣が誕生しました。

アイスランドの女性は1915年に参政権を獲得しました。

日本では少し遅れて1946年です。

アイスランドではその後の60年間で国会議員に就任した女性は9人に留まっており、

1975年時点で女性の国会議員は総議席の5%にあたる3人でした。

また、当時の男女の賃金差は40%以上でした。

働く女性の数、就業率は年々高くなってきていましたが、

女性が働いて賃金を得るのはあくまで副業、との意識が根強く、

男性との賃金の格差も大きいものがありました。

また、育児や家事、農場での家畜の世話など、

女性が伝統的に従事する仕事が経済的に正当に評価されない事情がありました。

こうした時代背景で行われたストライキ。

男女の賃金差や女性の政治進出の遅れに対する抗議として行われ、

アイスランドの女性人口の9割以上が

仕事や家事を放棄して参加したと言われています。

これによってアイスランドでは1976年に性別による賃金格差を禁止する法律が成立しました。

 

 

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ストライキによって女性が得たもの。

 

1975年、国際連合は同年を国際女性年に定めることを発表しました。

これを受け、ストライキが計画されましたが、

ストライキが正当性のない山猫ストとして扱われる懸念があり、

これによってストライキに参加した女性が解雇される危険があったことから、

ストライキは「女性の休日」という呼称に変更されました。

ストライキの計画は女性運動団体が呼びかけ、

メディアや口コミを通じてアイスランド中に広く伝えられ、

全国的な支持と労働組合からの支援を得るようになりました。

アイスランド中の都市や町で大規模集会やデモが行われ、

女性の9割以上が仕事と家事を放棄したと言われており

首都であるレイキャヴィークのデモには

女性人口の20%にあたる25,000人の女性が参加しました。

このストライキによって銀行や工場は休業せざるを得ませんでした。

女性の労働力を低く見ているのに、

女性がいないと社会が回らなかったのです。

学校や保育園も休校したため父親は子どもを職場に連れていかざるを得ず、

簡単に料理できて子どもに人気の食材であるソーセージが

アイスランド中の商店で売り切れになったと言われています。

このストライキを受け、1976年には性別による賃金格差を違法とする法律が成立し、

1980年11月にはヴィグディス・フィンボガドゥティルが

アイスランドで初めての女性大統領に就任しました。

彼女はヨーロッパで初めての女性の国家元首であり、

世界で初めて民主的に選出された女性の国家元首でもありました。

ヴィグディスは、このストライキがなかったら

自身は大統領にはなっていなかっただろうと述べています。

また、ストライキはアイスランド国外の女性運動にも影響を与え、

1985年にはストライキの10周年を記念して、

2度目のストライキが行われました。

ヴィグディス大統領も、この日は登庁しなかったと言われています。

アイスランドの女性はストライキによって、

女性の賃金格差の是正と女性大統領を得たことになります。

 

 

世界初の男女賃金格差違法化

 

アイスランドでは2018年には、同じ仕事をする男女に対して

同額の賃金が支払われていることを雇用主が証明しなければならないと定めた

「男女同一賃金証明法」が制定されました。

また、男性の育児休暇取得率は85%に達し、

父親が育休を取得することは当たり前の文化が根付いています。

多くの政党が選挙の際、候補者の40%以上が女性となるよう自主的に定めており、

議員63人のうち女性は30人で、その割合は47.6%です。

日本と比べてみましょう

総人口(日本)議員数(うち女性)
女性議員の割合
総人口
(アイスランド)
議員数(うち女性)
女性議員の割合
1970年1憶3720万人733(21)2.9%20万2000人50(3)5%
1980年1億1632万人762(26)3.4%22万8100人56(12)21%
1990年1憶2361万人763(45)5.9%25万4800人63(13)20%
2000年1憶2680万人751(68)9.1%28万1200人63(13)20%
2010年1億2810万人728(76)10.4%31万8000人63(30)47%
2020年1億2630万人465(38)16.4%36万6500人63(30)47%

女性議員の比率がとても高いことがわかります。

北欧の島国はなぜ、「世界で最もジェンダー平等に近い国」であり続けられるのか。

性別による賃金格差を違法とする法律や、男性にも育児休暇を義務付ける。

これらの施策によって、アイスランドは男女間の経済格差、

社会参加、政治参加など、様々な面で男女平等を実現しています。

 

日本でもし、このストライキを起こしたらどうなるでしょう。

多分、多くの父親は子供の保育園のことなど気も回らず、

自分だけが出勤することでしょう。

アイスランドには子育ては両親でする、という意識があったのかもしれませんね。

日本では男性の育児休業も法制化され、令和5年には取得率が3割を超えました。

が、それでもまだ、家事・育児は女性がするもの。

男性はあくまでお手伝い、という意識が根強くあるように思えます。

おかしいですね。

男性だって一人暮らししていれば自分の分の家事はしていたはずなのに。

明日、いきなり、女性たちがストライキを起こしても

困らない男性はどのくらいいるのでしょうね。

 

 

今日のヒメちー

 

うむ。

この家でもままちゃんはよく働き、ぱぱちゃんはだらしなく生きています。

外でお仕事してる、と言われても

その時間だってままちゃんは家のお仕事していますしね。

大きく違うのはままちゃんはお熱でも働くのに

ぱぱちゃんはお熱だと会社を休むことです。

ねぇやんは…。

多分男性です。

まあ、ヒメは猫ですので、ただ寝てるだけでいいんですけどね。

ぐう…ぐう…

ヒメちゃんはただ可愛くいなさい、それがお仕事よ、と

ままちゃんも言いますしね。

…ということはヒメは24時間勤務でしょうか…。

ただ…。

こうして寝ていても邪魔が入るのですよ。

 

相手してあげるのは過重労働です。

あ~~~あ。

なんだかちっとも疲れが取れません。

仕事だけする。

家事だけする。

家事と仕事をする。

この中で一番楽なのって、

「仕事だけする」だと思うのよね…。

 



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