【タロ・ジロだけじゃない】南極観測船・宗谷に乗った猫たけし

 

スポンサーリンク

南極へ行った猫、たけし。

各国でかつて活躍した、海の猫たち。

 

 

外国の話ばかりかと思いきや、日本にも、南極へ行った猫が居ました。

猫はもともと、航海のお守りとして大事にされてきましたし、

船の敵、ネズミも駆除してくれます。

日本では、ネズミ退治はもちろんのこと、

「ネコが騒げば時化、眠れば好天」や

「ネコは船中で必ず北を向く」などの言い伝えがあり、

猫には天気の予知する能力や荒天でも方角を示す能力とがあると信じられてきました。

1956年(昭和31年)。第1次南極観測隊が出発する直前、

ある人から託された一匹の三毛猫。

動物愛護団体の鈴木はなという女性から

「オスの三毛猫は航海に縁起が良いので、航海のお守りとして連れて行ってください」と

隊員に手渡された猫は、

観測隊の一員となり、永田武隊長の名前をもらい「たけし」と名付けられました。

清水賢二隊員とたけし

 

 三毛猫のオスが珍しい理由

三毛猫のオスが生まれる確率は、1/30000と言われ、

非常に珍しいことが昔から知られてきました。

写真は白黒ですが、ちょっと待って?

たけし、キジ白じゃない?と思いますよね。

想像する三毛猫とは違う柄の付き方ですが、

三毛猫とは、白、黒、茶色(オレンジ)の三色をもった猫すべてのことを指します。

つまり、定義上はどんな種類の猫でも白、黒、茶の3色の色があれば三毛猫です。

たけしは矢印のあたりに茶色が入っているので、三毛猫になります。

危険を察知する能力にたけている猫。

さらに珍しいオスの三毛猫とあっては、

南極観測隊の隊員たちはさぞかわいがった事でしょうね。

 

 

スポンサーリンク

南極探査における猫の役割

南極に行った動物と言えば真っ先に思い浮かぶのが

タロとジロをはじめとする樺太犬たち。

タロとジロのはく製 タロは北海道大学植物園に、ジロは国立科学博物館に展示されています

樺太犬たちは、犬ぞりを引き、隊員たちの調査の手助けをし、

時にはマスコット的な存在でした。

オスの三毛猫、たけしの主な任務は、

航海のお守りと、ペットとして隊員たちを癒すこと。

また、南極で生まれた子犬たちの面倒を見ることもあったようです。

シロと南極で生まれた子犬たち

シロの生んだ子犬たちとたけし

時には教育的指導も。

隊員と一緒に記念写真

猫はやはり座布団の上…。

外につながれている犬たちとは違い、暖かい部屋の中にいたようです。

藤井隊員と

船の看板で日向ぼっこを楽しむたけし。

着ている服は隊員の方の手作り救命胴衣なんだそう。

たけしは1958年(昭和33年)、二年間の任務を終え、

無事に帰国し、朝日新聞記者の越冬隊員だった

作間敏夫氏に引き取られましたが、

作間氏の留守中に脱走して行方不明となったそうです。

 

たけしの任務は犬たちのものと違うため、

たけしに関する記録はあまり残されていません。

ただ、確かに南極に渡った猫が居たのです。

数いる働く猫たちの中で、最も重大な任務だったのかもしれませんね。

写真はすべて「国立極地研究所」様からお借りしました。

 

 

今日のヒメちー

ヒメは寒がりなので、

どんな任務でも絶対南極には行きたくありません。

…おうちも寒いですけど…。

失礼ねー、ヒメちー。

いくらなんでも南極ほどには寒くはないわよ。

 

  

コメント