日本に猫の銅像ってあるの?
先日の、英国の猫の銅像の話を読んでくださった方からのコメントで、
「日本には猫の銅像はないの?」と言うものがありました。
![](https://i2.wp.com/mainichihime.com/wp-content/uploads/2021/09/IMG_6844-160x99.jpg?ssl=1)
ワンちゃんの銅像とかはあるのよね。
忠犬ハチ公とか、南極物語のタロジロとか。
猫は…あるのかな?
調べてみると…ありました。
猫たちよ、ハチ公に負けるな!
夏目漱石の猫
「吾輩ハ猫デアル」を読んだことのない人でも、
「吾輩は猫である。名前はまだ無い。」という冒頭分はご存知のはず。
その吾輩のモデルとなった猫は漱石が37歳の時に
夏目家に迷いこんだ野良の黒猫だそうです。
「吾輩ハ猫デアル」を雑誌「ホトトギス」で発表したのが1905年1月。
黒猫と出会ってからすぐにインスピレーションが湧き、
「吾輩ハ猫デアル」を書きあげた、とされています。
1908年に黒猫が死ぬまで可愛がったようで、
墓を建てたり、死亡通知を出したりしたそうです。
また、亡くなる直前の様子を「猫の墓」という随筆に書き残しています。
ふらっと迷い込んだ黒猫。可愛がっていたものの四年足らずで虹の橋を渡ってしまう。
漱石にたくさんのインスピレーションと、
猫愛を残していってくれた黒猫の銅像が、
文京区向丘、夏目漱石旧居跡(通称・猫の家)にあります。
![夏目漱石旧居跡(猫の家) 猫の銅像](https://i1.wp.com/mainichihime.com/wp-content/uploads/2021/09/natumesouseki.jpg?resize=500%2C363&ssl=1)
夏目漱石旧居跡(猫の家)
![夏目漱石旧居跡(猫の家)](https://i1.wp.com/mainichihime.com/wp-content/uploads/2021/09/080047c41d77c58d97cf85ec35d0e15b-1.jpg?resize=500%2C402&ssl=1)
夏目漱石旧居跡(猫の家)
実は夏目漱石はもともと犬派だった、と言う説もあり、
猫との写真は残っていませんが、
愛犬との写真は残っていました。
猫の魅力にどっぷりとはまっちゃったのでしょうか。
萩原朔太郎の猫
自身の作品に度々猫を登場させていた萩原朔太郎。
さぞかし猫好きか、と思いきや、
萩原が飼っていたのは、「トコ」と「ノネ」という犬でした。
実は猫派ではなく犬派だったのです。
自ら飼うほどの猫好きではなかった萩原。
しかし神秘的な動物として猫に心惹かれていたからこそ、
作品に猫を登場させることで、猫愛を表現していたのかもしれません。
詩集『月に吠える』には、『猫』という詩が収録されています。
屋根の上で2匹の黒猫が、「おわあ」「おぎゃあ」などと会話するシュールな作品です。
猫の目線から人間を風刺する手法が使われているため、
漱石の『吾輩は猫である』にも通じる作品といわれています。
さらに第二詩集のタイトルは『青猫』。
広大な都会にたたずむ作者が求める幸福を、青い鳥ならぬ青い猫になぞらえました。
さらに詩だけでなく、『猫町』や『ウォーソン婦人の黒猫』など、
猫を主題とした短編小説も残しています。
大井町に住んでいた萩原の生誕130年を記念し
大井町緑地児童遊園(通称猫公園)には、
「青猫」にちなんで作られた猫のブロンズ像「花子と太郎」(中村辰治作)があり、
猫をテーマとした作品が飾られています。
![萩原朔太郎生誕130年記念「アートねこ展」](https://i2.wp.com/mainichihime.com/wp-content/uploads/2021/09/dda9bb331e5adc2b5a3ca1088fa71280-2.jpg?resize=500%2C668&ssl=1)
品川区役所HPより
大佛次郎の猫
横浜に生まれた大佛次郎は、
終生変わることのない愛情を故郷・横浜に寄せていました。
没後、遺族から蔵書や遺品の寄贈を受けて、
1978年5月1日、大佛次郎の愛した横浜に大佛次郎記念館が開館しました。
この大佛次郎記念館にも猫の銅像が。
現在は残念ながらマスクでご尊顔は見られず…。
![大佛次郎記念館 猫 銅像](https://i1.wp.com/mainichihime.com/wp-content/uploads/2021/09/66c19942ab4ba346fdb64ccc04cde373-8.jpg?resize=500%2C615&ssl=1)
大佛次郎記念館Twitterより
![大佛次郎記念館 猫 銅像](https://i0.wp.com/mainichihime.com/wp-content/uploads/2021/09/0e4aae38a1f5494592124a884058f7cb-2.jpg?resize=500%2C640&ssl=1)
大佛次郎記念館Twitterより
大佛次郎は「猫は一生の伴侶」と語るほどの愛猫家で、
いつも十数匹の猫に囲まれた生活の中から
童話「スイッチョ猫」が生まれました。
猫を題材とした多くのエッセイや、小説、童話を残しており、
『赤穂浪士』に登場する上杉家家老千坂兵部も猫好きの設定にしているほど。
野良猫を含め面倒を見てきた猫の数は500匹を下らないという。
晩年、猫を5匹までにすることや、
猫に対して贅沢をさせないことを遺言で残したが、
残された夫人も夫の影響で猫好きになっており、遺言は守られなかったそうです。
夫人が亡くなった後、残された猫たちは、
大の猫好きお手伝いさんによって貰われていったと言う事です。
また、現在も、大佛次郎の猫好き精神は受け継がれ、
館内のいたるところに、地域猫がのんびりと暮らしているようです。
![大佛次郎記念館 猫](https://i1.wp.com/mainichihime.com/wp-content/uploads/2021/09/eb22bf7a906b7f73af3d68cd620dade7-2.jpg?resize=500%2C371&ssl=1)
大佛次郎記念館Twitterより
横浜なんて30分で行ける場所なのに、こんな素敵な場所があるなんて知らなかったー。
コロナが収束…はしないかもしれないけれど、
市販薬として販売されるコロナ治療経口薬が
アメリカで承認されたと言うし、
きっと、自由に出歩ける未来は近い…はず。
由来はわからず…の猫たちの銅像
2018年「ライオン像」で知られる日本橋三越本店に
期間限定で登場した「ネコ像」
府中公園・府中市「彫刻のあるまちづくり」事業17作品の中の一つ。
「木蔭にて」
![府中公園・府中市「彫刻のあるまちづくり](https://i1.wp.com/mainichihime.com/wp-content/uploads/2021/09/f7a4118739f4f565825af28c36430b56.jpg?resize=500%2C374&ssl=1)
府中市HPより
東京都渋谷区恵比寿台座CATビルには
「古流曙会会長 家元 たまの会」 猫像
日本中のあちこちで、
猫が大事にされてきた証と言ってもよい猫たちの銅像。
お近くの方はぜひ足を運んでみてくださいね。
今日のヒメちー
ねぇやんがえらくならないと、
ヒメの銅像は立たないってほんとですか?
えーっと…
半分正解かな…。
だって、ほら、せっかく立てても
飾るとこもないし、見てくれる人もいないでしょ?
Σ(゚д゚lll)ガーン…
でもほら、前に羊毛フェルトでヒメちー作ったでしょ、
それでいいんじゃないかって言ってくれた人もいるし…。
ねぇやんもそう思うのよ、うん。
ほら、もーちゃんとちゃーこさんとちびヒメちーもいいでしょー。
なんなら全身像も。
この子ヒメに似てないので嫌です。
えー、ひどーい。
でもさー、銅像ってそういうものよね?
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