「かぎしっぽ」は幸運のしるし?しっぽの短い猫・変わった形の猫がいる理由

 

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いろんな形がある猫の尻尾

 

猫の尻尾の形は様々です。

しっぽの長い猫、短い猫、丸まっている猫…。

猫のしっぽは、とても個性豊かです。

中でも、しっぽが途中で折れ曲がっていたり、

短く丸まっていたりする猫のしっぽは「かぎしっぽ」と呼ばれ、

古くから幸運を招く猫として愛されてきました。

 

 

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「かぎしっぽ」はどんな形?

 

しっぽが途中で曲がっていたり、短くてクルっと丸まっていたりする猫は、

「かぎしっぽ猫」「尾曲がり猫」と呼ばれています。

猫のしっぽは、個体差はありますが

一般的に18~20個の尾椎という骨で成り立っています。

その尾椎の一部が減少したり骨同士がくっついたり(癒合)すると、

しっぽが短くなりクルッと丸まった状態になります。

「Bob Tail(ボブテイル)」とも呼ばれ、

「ジャパニーズ・ボブテイル」や「アメリカン・ボブテイル」などの猫種があります。

ジャパニーズボブテイル 猫図鑑より

また、尾椎の一部が変形して半椎体化すると、

かぎ状の折れ曲がった状態になります。

これは「Kinked Tail(キンクドテイル)」とも呼ばれています。

 

 かぎしっぽってどうしてできるの?

猫がかぎしっぽになるのは、遺伝子による先天的な要因と、

事故などによる後天的な要因があります。

生涯にわたり、5万匹を超える猫の観察をした

集団遺伝子学の野澤謙氏の研究によると、

かぎしっぽになる要因として考えられているのは、

「尾無し猫」で知られるマンクスという猫種だけが持つ「T-Box」遺伝子の変異、

あるいはジャパニーズ・ボブテイルをはじめとする猫種が持つ「HES7」遺伝子の変異です。

そして、まだ発見されていませんが、

「HES7」遺伝子が変異していないかぎしっぽ猫が存在していることから、

「第三の遺伝子」があると考えられています。

先天的な要因によるかぎしっぽであれば、特に健康上の問題はありません。

一方、子猫のときに母猫に押しつぶされたり、

ドアに挟まれたりする事故などが原因で、

後天的にしっぽが曲がってしまうこともあります。

骨が柔らかい子猫の時期であればあまり影響が出ないこともありますが、

成猫の場合は神経を傷めてしまい障害の原因となる場合もあります。

 

 

日本に「かぎしっぽ猫」が多い理由

 

長崎県に住む野良猫の約8割は「HES7遺伝子」を持っている

かぎしっぽ猫だと言われています。

野澤氏の調査では、全国平均ではおよそ40パーセントの猫が

尾曲がりしっぽを持つのに対して、

長崎では79%の猫の尻尾が尾曲がりであったと言います。

一体なぜでしょうか?その理由は、なんと江戸時代までさかのぼります。

この「尾曲がりネコ」たちは、

もともとインドネシアのジャカルタ周辺が原産地と考えられており、

日本では、江戸時代中期から後期にかけて突然現れたと言われています。

「HES7遺伝子」によるかぎしっぽ猫の原産地は、

インドネシアやマレーシア周辺など、

東南アジアや中国南部の地域だと考えられています。

江戸時代、長崎県の出島ではオランダとの交易が行われていました。

オランダ船の拠点の一つがインドネシアにあり、

そこからやってくる船には積荷をネズミから守るための猫が乗っていました。

 

そうして船と共にやってきたインドネシアの猫たちが

長崎に住み着くようになり、今でもその子孫たちが長崎には多く生息しているのです。

つまりは、東南アジア出まれた尾曲がり猫たちが

貨物船に乗って長崎に来航し、

長崎から全国へ広まっていったと考えられます。

これには江戸時代、長いしっぽの猫が年をとると

「猫又」という妖怪になると考えられていたことも大きく影響します。

 

「猫又」を恐れる当時の人々が、

短いしっぽやかぎしっぽの猫を好んだために、

積極的に繁殖されてきたとも言われています。

浮世絵にも、多くのかぎしっぽ猫が描かれています。

歌川国芳 猫飼好五十三疋

歌川国芳 たとゑ尽の内

 

有名な国宝・鳥獣戯画図。

これに描かれてる猫の尻尾は長いものになっています。

鳥獣戯画図が描かれたのは平安後期から鎌倉前期。

この事からも、しっぽのない猫=東南アジア由来と言う事がわかります。

 

 

「かぎしっぽ」は幸運の印?

 

蔵の「錠前」のような形、あるいは、

物をひっかけるのに使う鉤に似た形のかぎしっぽ。

日本や中国ではこのかぎしっぽの猫が、

「財産を守ってくれる」商売繁盛のお守りとして大事にされてきました。

また、ヨーロッパではかぎの形が

「幸運をひっかけてくれる」縁起の良い猫だとされ、

かぎしっぽの猫がとても珍しいこともあって、

見かけるだけでもラッキーだと言われています。

 

 

今日のヒメちー

 

え?今日、ヒメの出番あるんですか?

でぶりんが登場してるから、てっきりヒメの出番はないものかと…。

この子は地域猫のでぶりん。

わたしが高校生の時に生まれてるからもう相当お年。

立派なかぎしっぽの持ち主です。

時々フェンスに引っかかっちゃってる事も…。

ヒメはいたずらの途中だったので失礼して…。

ふう。やり切った。

尻尾の形はどうであれ、

可愛い猫はわたしたちに

幸運をもたらせてくれてることには間違いがないですね。

 

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