あらゆる動物の中で“最も古くから”人間と親しい肉食獣「オオカミ」はどのように「犬」になったのか?

 

 

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犬はどのように、「人間の良き伴侶」となりえたのか。

 

犬と人間の関係には長い歴史があります。

あらゆる動物の中で、最も古くから人間と親しい関係にあったと言えます。

いくつかの説がありますが、

犬は1万5000年~2万年前に東アジアにいたハイイロオオカミから家畜化されたと言われています。

そこから分岐して、約9300年~1万1500年前には

人間のそばで生きていたと考えられます。

犬の埴輪が出土していることから、

日本では少なくとも縄文時代にはすでに人間とともににいたと考えられます。

MIHO MUSEUM蔵 6世紀ごろ

 

考古学的証拠によれば、

犬は少なくとも今から一万四千年前から、

犬として、人のそばに居たようです。

レリーフはB.C.2100頃、壁画は年代不明

 

これはあくまで「証拠が」出土したという時代であって、

おそらくもっと前から、その二倍くらいの歴史があるかもしれません。

古代エジプトではアヌビスとなり、墓地の神とあがめられました。

墓地の遺跡を発掘すると、

犬が飼い主とともに葬られているのが見つかることが珍しくありません。

アインマラハ遺跡 約12,000年前のもの

 

埋葬のされ方で、野犬だったか、飼われていた犬であったのかがわかります。

出没した埋葬後には、大事に装飾され葬られた犬の骨が多く出土しています。

犬がはじめて人間のパートナーになった頃、文明はまだ初期段階にありました。

大半の人間は狩猟採集民で、自分の手で食料を作り出すには至っていなかった頃です。

本来、これはありえない環境なのだと言われています。

人間も犬も、高度に進化した捕食者。

つまり、互いにとって大きな脅威のはずであり、

互いを恐れ、互いに対し敵意を抱くのが当然のこと。

いったいなぜ、そのような条件を乗り越えて、

犬と人間はこれほど深い関係を築くまでになったのでしょうか。

 

 

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犬の先祖は誰?犬はネコ目イヌ亜目

 

犬の祖先はどんな動物だったのでしょうか。

犬の先祖は猫と同じ、「ミアキス」と言う哺乳類です。

これが草原に暮らす者、犬の先祖と、

森林に暮らす者、猫の先祖と枝分かれしたと考えられています。

毎日新聞より

 

すべての犬は「ネコ目(食肉目=Carnivora)」の中の「イヌ亜目」に属します。

昔から犬の祖先の候補として挙げられてきたのが、オオカミ、コヨーテ、ジャッカルです。

確かにどれも外見はよく似ています。

しかし、DNAの研究が進んだ結果、犬の祖先はオオカミであることがほぼ確実になりました。

犬は従順なオオカミである。と言う呼び方をされることがあります。

生物の種としてみたとき、犬とオオカミは別種には分類されず、

亜種レベルの違いでしかありません。

犬と言う生き物は、人の手で家畜化されたときに初めて「犬」と呼ばれるようになりました。

オオカミと言えば、狂暴で狩猟能力が高く、危険な生き物。

そういうイメージがわきますが、

ヨーロッパでオオカミが人間から恐れられ、憎まれるようになったのは、

ヤギと羊を家畜化した牧畜の開始からです。

ですがそれ以前からも、オオカミは優秀なハンターとして

人と、獲物を奪い合ったに違いありません。

 

 

ライバルからペット?オオカミが犬と呼ばれるまで。

 

捕食動物は実は家畜の有力な候補になり得るのだという意見もあります。

捕食動物は他の動物を恐れる必要がないから。

犬の前身のオオカミも、また犬のように社会的な動物であったと言われ、

集団で他者とともに生きることは得意だと思われます。

犬と野生のオオカミの行動はどの程度、似通っているのか。

その問いに答えるにはまず、時を遡って現代の犬の起源を明らかにする必要があります。

が、どんな手段を使っても、過去の真実を知ることはできません。

今できるのは、得られている限られた証拠を基にある程度、

信憑性のありそうなストーリーを作りあげることくらいです。

 

 自ら「犬」になったオオカミたち

オオカミはどのようにして、人と共に生きることになったのでしょうか。

まず考えられるのは、人間の定住地の周縁で暮らしていたオオカミたちが、

人間の捨てた食べ物をあさることを覚えたのではないか、ということ。

他の動物もそうですが、オオカミにもやはり一頭ごとの明確な個性があるはず。

非常に攻撃的な性格の者もいれば、非常に穏やかな者もいる。

穏やかな性格のオオカミは、

定住地の人間たちからも受け入れられやすかっただろうと推察できます。

猫が野に暮らす生活から、次第に人のそばで暮らすようになったのと同じです。

 

受け入れられたオオカミたちは次第に定住地のそばで長い時間を過ごすようになり、

人間への恐怖心をなくし、人になつくようになる。

オオカミにとっては安定的に食料を得ることができるという利点がある。

生まれてくる子どもたちの多くも、親オオカミを見習い、

おとなしく人間になつくことが容易にできると考えられます。

カラパイアより

 

その中でも特に人間に従順なオオカミは、

人間からより多くの利益が得られるはず。

次第に、人に対し、従順になるよう進化していったと思われます。

人間にとってオオカミは、見張り番や、狩りの仲間として役に立つ。

時が経つごとに両者の絆は強くなり、

人間と生きるオオカミは野生のオオカミとは大きく隔たった動物になり、

人間がオオカミを飼いならし家畜化した、と考えられますが、

中にはオオカミ自身が進んで飼いならされ、

自ら家畜になっていったと言うこともあったことでしょう。

オオカミと犬との大きな違いは

犬は、「生活のルールや知識を理解することができる」

「相手の表情やしぐさから気持ちや考えを読み取ることができる(社会的認知能力が高い)」

「相手の気持ちに共感し、その人のために行動する能力がある(向社会性が高い)」

という特徴があります。

 

 オオカミを尊敬し、共に生きる民族

ネイティブ・アメリカンや、ユーラシア大陸北部の狩猟採集民は、

オオカミを尊敬し、崇拝の対象としてます。

長年、同じ土地に暮らして資源を共有し、

お互いから学ぶことも多かったことでしょう。

長く近くにいて慣れていると、互いを侮るようになる可能性もありますが、

逆に、人とオオカミ、両者の間にお互いを尊重する気持ちが生まれた可能性もあります。

それが互いへの寛容や、協調関係にまでつながったのかもしれません。

カラパイアより

 

大きな獲物を狩る際、

人とオオカミは協力関係にあったかもしれません。

そのことが数万年の時を超え、

人と犬とは良きパートナーとなった理由なのかもしれませんね。

 

 

今日のヒメちー

 

オオカミは利害関係で、人と暮らすことを覚えました。

オオカミが人に人気者になるのはどうしたのでしょう…。

猫のように、可愛いしぐさでメロメロ攻撃とかでしょうか…。

それにはオオカミは少しこわもてな気がします。

…となると…。

やはりこれでしょうか…。

わーい、やったー!

ヒメちーと握手会―。

不本意ではありますが、

やはり、動物のほうから歩み寄ったのでしょうね…。

動物はひとよりも寛大ですから。

不本意って何さ。

ヒメちーだって、猫のご先祖様が、

人と仲良くしたからこうして人と暮らしてるんでしょー。

 



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