黒猫の歴史を紐解こう
真っ黒な毛並みが美しく、身近な存在でもある黒猫。
黒猫は古くから人との関りが深い毛柄のひとつです。
たとえば、人が猫を飼っていたと記録されている日本最古の書物に、
『寛平御記』という宇多天皇の日記があります。
これは平安時代初期の文献とされていますが、
その中には、父親から譲られて黒猫を飼っているという記述があります。
また、江戸時代には「黒猫を飼うと結核が治る」といううわさが広まり、
黒猫を飼うのがブームになったこともあったのだとか。
うちには黒猫がいないので、
オカキとアラレの黒猫ブログ 様より画像はお借りしました。
あの名作のモデルも黒猫!?
明治時代の文豪・夏目漱石の代表作に
『吾輩は猫である』という作品がありますが、
そのモデルとなった猫も、黒猫だったといわれています。
漱石のもとに迷い込んできた黒猫がきっかけでこの名作が生まれ、
漱石は念願の作家デビューを果たせたことから、
この黒猫はまさしく“福猫”として漱石夫妻に大変可愛がられたのだとか。
市川崑監督作品、【吾輩は猫である】でも
夏目漱石の飼い猫は黒猫になっています。
また、詩人、萩原朔太郎が愛した猫も黒猫。
詩集『月に吠える』には、『猫』という詩が収録されています。
屋根の上で2匹の黒猫が、「おわあ」「おぎゃあ」などと会話するシュールな作品です。
さらに詩だけでなく『ウォーソン婦人の黒猫』と言う、
猫を主題とした短編小説も残しています。
海外でも古くから黒猫の存在は確認されており、
ケルト神話や北欧神話にも登場します。
ではなぜ、黒猫は不吉である、と言われてしまうようになったのでしょう。
黒猫はなぜ不吉とされるのか
黒猫は悪魔の化身?幸運のシンボル?
「黒猫が目の前を横切ると不吉」という迷信は一度は聞いたことがあると思います。
キリスト教圏の国々では、
黒猫は長い間魔女伝説の迷信とセットになって考えられたため、
不幸と厄災をもたらすとされました。
一方で、イギリスの一部では幸運をもたらすシンボルと考えられてきましたし、
日本でも「夜でも目が見える」ことから商売繁盛や幸運のシンボルとなっていました。
古代神話に登場する黒猫
キリスト教圏の国々で黒猫は不吉なもの、とされていましたが、
古代ヨーロッパでは、黒猫は不吉な存在とは考えられていなかったようです。
むしろ神秘的で、崇拝の対象ですらありました。
黒猫は普通の猫とは違っていると考えられていたようで、
ケルト神話や北欧神話にも黒猫はたびたび登場し、
人間並みの知恵を持っていたり、女神様に仕えていたりします。
エジプト神話に登場する女神、
バステトとも残されているブロンズ像は黒猫です。
ケルト世界や北欧世界にキリスト教がやってきた際、
旧来の宗教は否定され、像は破壊され、
神々は悪魔の化身ということにされました。
キリスト教が広まっていく過程で、
旧宗教の物語で活躍していた黒猫は「悪魔の遣い」ということにされてしまい、
それが後の時代に一般化したのが
「魔女と黒猫」というイメージの土台となっていったのではないかと思います。
映画魔女の宅急便でも
黒猫のジジは魔女のキキと一緒にいますね。
魔女と黒猫に関しては長くなりますので、また別記事で。
「黒猫=不吉」のイメージは輸入された!?
古来より日本では黒猫を縁起の良いものとしてきました。
明治40年前後くらいまでは、黒猫が“福猫”であるという記述が残っているそうです。
文明開化と共に「黒猫=不吉」だとする外国の文化が入って来たのでしょうね。
言い伝えを今に伝える「招き猫」
黒猫は“福猫”という考え方は、現代にも残っています。
そのわかりやすい例が「招き猫」。
黒い招き猫には、魔除けや厄除けといったご利益があるといわれています。
現代の日本で広まっている「黒猫は不吉」のイメージは、
明治以降に外国から持ち込まれたものだと考えられます。
昔の日本と欧米では黒猫に対するイメージは真逆ですが、
黒猫にまつわるさまざまな言い伝えがあるのは共通です。
もしかしたら、昔から人々は黒猫に対して
何か特別なものを感じていたのかもしれませんね。
今日のヒメちー
猫が何色であっても
可愛い猫には変わりがないのに、
人って愚かですね。
…まさかねぇやんも
ヒメの色が違ったら可愛くないとか言うんじゃないでしょうね。
ギロッ
ヒメちーってばひどいわ。
ねぇやんがそんな事言うわけないじゃない。
わたしたちの生活に寄り添う猫。
どんな色、柄でも猫って素晴らしい。
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