完全室内生活の猫もワクチン接種は必要?
先日、ヒメちーのワクチン接種の話を書いた時に、
「猫にもワクチン接種が必要なの?」と言うご質問をいただきました。
結論から言うと、必要です。
犬の場合、狂犬病予防接種が義務づけられているため、
広く周知されているようです。
犬の場合はその他任意の感染症予防接種があります。
猫の場合、この感染症予防接種と同じと考えてよいでしょう。
猫の場合、「3種混合ワクチン」と「5種混合ワクチン」があります。
違いは防げる病気の種類です。
ヒメちーが接種しているのはこの3種混合ワクチンになります。
防げる病気の数が少ないよりは多い方がいいんじゃないの?と思われるかもしれませんが、
副作用の懸念から、必要な種類を打つことを推奨されています。
3種と5種の大きな違いは、
猫白血病ウイルス感染症が入っているかいないかです。
猫白血病ウイルス感染症は、感染してしまうと
3年以内に80%の猫が死亡する非常に致死率の高い病気です。
猫白血病ウイルス感染症は猫白血病ウイルスに
感染している猫の唾液や血液や糞尿から感染します。
そのため、外に出る子やよく脱走をしてしまう子、
将来新しく保護猫を迎え入れる可能性のある場合、
飼われている子の場合感染のリスクを減らすため
5種のワクチン接種が推奨されています。
ヒメちーは完全室内飼い。
外に出す予定も、新たな猫を迎え入れる予定もありません。
なので3種で十分であると言われています。
ワクチンで防げる5つの病気
ワクチンに含まれる感染症は基本的に感染力がつよく
重篤化すると死亡する恐れのある病気、
致死率の高い病気です。
完全室内飼いでも、感染するリスクはゼロではありません。
目に見えないウイルスだからこそ、
予防が大切だと考えられています。
ワクチンで防げる猫の感染症は以下の5つです。
猫ウィルス性鼻気管炎
ネコ伝染性鼻気管炎とは
ネコヘルペスウィルスの感染によって起こる伝染性の「かぜ」。
鼻汁や目やにに含まれるウィルスを直接や吸入することにより感染が起きます。
ストレス、栄養不良、多頭飼育、
免疫抑制をかける薬剤の投与などがあると症状が起きやすくなると言われています。
猫カリシウィルス感染症
猫カリシウイルス感染症は猫カリシウイルス(feline calicivirus; FCV)が
引き起こす感染症の総称。
猫ヘルペスウイルスとともに上部呼吸器疾患を引き起こすウイルスの代表。
分泌物に含まれるウイルスが経口あるいは経鼻から感染する。
飛沫感染し、人がウイルスに感染した猫に接触してウイルスを媒介することもあります。
猫汎白血球減少症(パルボウイルス感染症)
猫汎白血球減少症(猫のパルボウイルス感染症、猫ウイルス性腸炎)は
犬パルボウイルス感染症と同様、非常に死亡率の高い病気です。
ワクチン未接種で免疫のない個体への感染率はほぼ100%といわれ、
とくに幼弱猫の死亡率は75~90%になるというデータもあります。
猫パルボウイルスに感染した猫の嘔吐物や、下痢便から感染します。
ウイルスの感染力が非常に強く、感染した猫に触った人を媒介して
感染を広げることがあります。
猫白血病ウィルス感染症
ケンカや交尾、グルーミングなどによって猫同士で感染します。
容易に感染するため、多頭飼いでは全ての猫が感染しているケースもあります。
残念ながら効果的な治療法がなく、悪性リンパ腫を発症させます。
猫クラミジア感染症
猫クラミジア(クラミジア・フェリス)という細菌が感染することによって起こります。
猫の眼の結膜に感染しやすく、1歳以下の子猫でよくみられます
クラミジアの感染はもちろん、
猫エイズや猫白血病など致死的な感染症にかかる可能性もあります。
また、 猫免疫不全ウイルス感染症(FIV、猫エイズウイルス)や
狂犬病は、それ単体のワクチンがあります。
万能と思われるワクチンですが、
接種後、顔がはれる(ムーンフェイス)や
体を痒がるなど急性のアレルギー反応が起こることがあります。
そもそも、単頭飼いであればワクチンは必要ないのでは?とも思われますが、
動物病院で治療を受ける際や、
ペットホテルに預ける際にワクチン接種をしていることが条件の場合もあります。
まさにヒメちーの通う病院はそう。
田舎が遠い我が家では田舎に帰る際に預けなければならない。
その際に預かってもらう事が出来なければ、
万が一の事情で帰る際にも預かってもらう事が出来なくなるのです。
ワクチンは毎年ではなくてもいい?
ワクチンは、一度接種したら終了、というものではなく、
継続的に接種することが推奨されています。
日本でのコアワクチンの接種は「1年に1回」が一般的ですが、
AAFP(全米猫獣医協会)およびWSAVA(世界小動物獣医協会)では、
3年に1回で十分という考え方もあります。
その猫の生活環境や、獣医師によっても考え方が違います。
これはワクチネーションプログラムと呼ばれ、
抗体価検査により、抗体量を確認することで、
ワクチンの接種期間を長くすることもできます。
現在、日本における猫のワクチン接種率は20~30%と推定されていて、
「すべての動物にワクチンを接種」というガイドラインが掲げる理想からは、
あまりにもかけ離れた状況にあるようです。
人もですが、動物のワクチン接種も、それぞれの考え方があります。
が、不調を訴える事が出来ない猫だからこそ、
病気を未然に防げた方がよいのではないか、と考えています。
今日のヒメちー
ヒメちーは自分で通院バッグに入ってしまう子。
バッグ=病院と言う事が認識できていないのか、
それでも口の空いたバッグの魅力には勝てないのか。
ただし、人の方が不穏な空気感を漂わせると
忽然と姿を消します。
病院もお注射も嫌いです。
なので隠れています。
残念。ヒメちーのやることはお見通しよ。
頭隠して尻隠さず、とはまさにこのことね。
…見つかってしまいました…。
不機嫌Maxです。
人だって痛いお注射は嫌だものねー。
でもごめんね。ヒメちーの為なの。
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