地震・雷・火事・おやじの「おやじ」の元は、「親父」ではなく、台風を意味する「おおやじ(おおやまじ)」
「地震・雷・火事・親父」とは、世の中の恐ろしいもの、
敵わないものを順に並べた表現です。
また、父親(親父)の怖さは、
地震や雷などに匹敵するほどのものだという意味も込められています。
皆さんの「親父」はそれほど怖いですか?
わたしのうちでは間違いなく母親、ままちゃんのほうが怖いです。
ではなぜ、「地震・雷・火事・親父」は世の中の恐ろしいものと例えられているのでしょう。
一説によると、昔の父親は、
家族、特に子供とのかかわりが薄く
たまにしか会わない男親を見慣れないものという感情を含む
畏敬の念で見てしまうということがあるようです。
災害に例えられる父親の脅威は前時代のもの?
地震や雷などの天災は、人間の力ではどうにもできないものです。
地震といえば、何の予告もなくいきなり起きる現象。
関東大震災や阪神・淡路大震災、東日本大震災、
最近では能登半島地震など、これまでも地震によって大きな被害が出ています。
雷に関しても、江戸時代は特に落雷が原因となる事故や火事の発生があったようで、
地震の次に恐いものとして挙げられています。
ただし、現代では気象予報の精度も向上したことにより、
落雷による被害は少なくなってきていると言えるでしょう。
地震や雷などの天災の次に、
その二次被害として起こりやすい火事が挙げられています。
ここまで災害が3つ挙げられているのにも関わらず、
最後にある「親父」という変化球がこの言葉の面白いところです。
この表現には、地震や雷、火事などと並ぶほど
親父は恐ろしくて逆らえない、という意味が含まれています。
父親の権限や脅威を主張する表現ですね。
「地震・雷・火事・親父というように、父親を怒らせると本当に怖い」などと使うことができます。
災害と親父が同じように並べられたこの言葉。
どのようにしてこの言葉が生まれたのか気になりますよね。
「地震・雷・火事・親父」の語源については様々な説が出ているものの、
実は未だにどれが正確なものかは実証されていないようです。
父親の怖さ以外にも有力だと考えられている説がいくつかあります。
家父長制によるもの
中世から明治時期にかけて、家父長制度というものがありました。
これは家長である男性が、
家の中で絶対的な権威をもつ家族形態のことです。
今ではこのような風習はなくなりつつありますが、
家長制の価値観が定着していた頃の日本において、
父親の存在は恐れ多いものだったのかもしれません。
その影響で「地震・雷・火事・親父」と並べて表現されるようになったという説があります。
実の父親ではなく、町村の名主や庄屋を指している
この言葉の研究者の中には「おやじ」というのが
実の父親を指しているのではなく、
町村の名主や庄屋を指しているのではないかと唱える人もいます。
名主や庄屋とは、江戸時代に村落内の行政を行っていた人々のこと。
関東では名主、関西では庄屋と呼んでいたようです。
これらの役員は村落内でも有力者であったため、
その権威を表現したという一説もあるのだとか。
「おやじ」ではなく「おおやまじ」であった
「地震・雷・火事・親父」という言葉は
元々「地震・雷・火事・大山嵐(おおやまじ)」だったのではないかという説もあるそうです。
大山嵐とは台風のことで、大風(おおやじ)とも言われています。
発音が少し似ていることに加えて、
語呂の良さやユーモアの観点から、
いつからか「おやじ」と読まれるようになったと考えられているようです。
「やまじ」、「おおやまじ」、「やまおやじ」。親父の語源は諸説ある。
世の中で恐ろしいものと言えば「地震、雷、火事、おやじ」。
この例え話は江戸時代から伝わっていますが
「おやじ」が台風であったなら、なぜ「地震、雷、火事、台風」ではないのでしょうか。
かつて日本では山から吹き下ろす強風を
「やまじ」「おおやまじ」などと呼びました。山から来る風を嵐と呼ぶ。
山と風の二つの漢字が合体すると「嵐」になる。
四国の愛媛では今でも局地風のことを「やまじ」と呼びますし、
台風という呼称が気象用語として定着したのは戦後のことなのです。
では台風がおやじで決定?
実は北海道には「やまおやじ」と呼ばれる動物も。
こちらは恐ろしいヒグマのこと。
親しみも込められている呼び名のように感じますが、
自然への畏敬、畏怖の念が伝わってきます。
突然ヒグマに襲われる。
これを自然災害とともに、なすすべもないことだと考えられていたのです。
「地震・雷・火事・親父」はいつから使われていた?
「地震・雷・火事・親父」という言葉が生まれた明確な時期は、
未だに明らかになっていません。
しかし、この言葉が使われ始めたのは江戸時代後期だと推測されます。
1831年に書かれた『尾張童遊集』という書物に
「地震雷火事おやぢ」という記述があります。
「地震・雷・火事・親父」に関する記述が確認されている書物としては、
これが最も古いものであると言われています。
その後、夏目漱石の『人生』や太宰治の『思ひ出』などの小説にも
「地震・雷・火事・親父」について言及がなされています。
現代における「地震・雷・火事・親父」の捉え方
江戸時代やそれ以前では、確かに父親や男性の権力が強いという風潮がありました。
しかし現代においてはジェンダー問題も重視されるようになり、
男女の格差はないものとされています。
そのため、父親のイメージもそこまで恐いものではなくなってきているかもしれません。
そんな現代では「地震・雷・火事・親父」という言葉は
あまりピンとこないと感じる方も多いのではないでしょうか?
実はこの言葉、今では色々な表現に言い換えて使われているのです。
例えば、先ほどとは対照的に「地震・雷・火事・女房」と言うこともあるのだとか。
他にも「地震・雷・火事・津波」や「地震・雷・火事・コロナ」と表現する人もいるようです。
親父よりもオヤジ狩りが怖いと言うこともありそうですね。
最後の要素を入れ換えることで、
それが災害に匹敵するほど恐ろしいものだということを表すことができます。
汎用性の高い言葉ですね。
今日のヒメちー
ままちゃん、今日も噛みつき遊びするですね。
やる気ビーム!
ままちゃんはなかなか手ごわいです。
やあ!
たあ!
とう!
シャー!
ふう。
今日も良く戦いました。
ここのうちではままちゃんが最強と言うことは、
ままちゃんに勝つヒメが最強と言うことですね。
え。
ヒメちー、それって勝利なの?
ままちゃんに勝てなくって逃げてるような…ゴニョゴニョ…。
例えままちゃんには勝てなくったって、
うちではヒメが最強よね、それは間違いないわ。
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