輸入オクラは輸送費をかけてもなぜ安い。
今日のお昼ご飯は冷たいおうどん。
色々具材乗っけて栄養価も満点よ。カロリーもだけど。
具材はキュウリ、揚げたナス、梅、ミニトマト、
オクラ、レタス、焼いた鶏肉と人参。
うどんどこー?ってくらいてんこ盛り盛り。
ちゃんと野菜たちの下に冷え冷えのおうどんが入っています。
子どものころからオクラが好きで、一年中食卓に上る。
湯がいてそのまま、煮てもよし、焼いても揚げてもよし。
夏の間は長いもと一緒にお漬物としても登場する。
このオクラ、言わずと知れた夏野菜。
原産地はアフリカ北東部。原産地や熱帯では多年草で、
何年も繰り返し果実をつけるのだけれど、
日本では越冬できないため一年草として植えられます。
オクラって育てたことあるけれど、大きく育って、大変すぎてやめた。
ゴミも多いのよね。これも一年草故。
オクラの特徴的なネバネバには、水溶性食物繊維の「ペクチン」が含まれ、
善玉菌のエサとなって腸内環境を整えてくれます。
便秘や下痢などの予防にも効果的。
また、糖質の吸収を緩やかにして血糖値の急上昇を抑えたり、
血清コレステロール値を低下させたりもしてくれる、いわばスーパーフード。
このオクラ、夏には国産のものが10本で168円くらい。
タイ産やフィリピン産のものが10本で98円くらいで通年売られている。
あれ?ちょっとおかしいよね。
どうして輸送費をかけて運ばれてきたもののほうが安いの?
輸送コストと言う食べることのできない上乗せ費用
近年、輸送コストの高騰が経済分野で話題にあがっています。
輸送コストとは、ものの移動にかかる経費です。物流においては主に輸送費をさします。
商品は工場から消費者に直通で届くわけではなく、
中継地に運ばれた上で梱包、発送されるケースが一般的です。
移動にかかる経費に加え、入荷側、出荷側、さらに、
社内での転送における車両の経費や人件費なども輸送コストに含まれます。
輸送コストに保管費用や梱包などの経費、人件費を合わせたものが物流コストと呼ばれます。
物流コスト内に占める輸送コストの割合は約60%ほどといわれています。
輸送コストが60%であるならば、一袋98円のオクラの原価は39円!
オクラの場合は、主な輸入産地の労働力が安いから、と言うのは広く説明されていること。
オクラにはとげがあって、これを触ってしまうととても痛い。
オクラの収穫はきっと手作業だと思う。
手作業で、オクラを出荷する産地の人々の賃金、安すぎないか?
外国の農産物はなぜ安いか
オクラに限らず、外国の農産物価格はなぜこんなに「安い」のだろう。
まず、国際貿易が多い麦、大豆、トウモロコシについてみれば、
土地利用型作物の典型で機械化も進み、
広大な土地でスケールメリットを追求すれば単位あたりコストは低くなる。
ところでその輸出国は、米国、カナダ、豪州、ブラジルなど特定の少数国で占められている。
これらの国は、日本とは基本的な農業条件が異なります。
単に自然的、地理的条件だけでなく、歴史的「生い立ち」が違う。
農業が始まった初めから広大な土地を比較的安価で取得し、
まとまった大規模農場で大きな機械を使って農業を始めることができた国である。
例えば、農業大国、オーストラリアの1戸当たり平均農業経営面積は約3400ha。
これは驚きの、東京ドーム727個分になります。
東京都全体の生産緑地が3296ha。
ちなみに新宿区の広さは1823haです。南北に横断するには徒歩で1時間半かかります。
話は少しそれましたが、このように穀物など土地利用型農業では、
「土地条件の違い」が決定的にコストの差となるのです。
日本は低賃金と言われていますが、これらの国では、農業労働力賃金水準は
日本よりもかなり低いと言われています。
農産物の輸出国の多くはアジア地域や南米です。
これらの国の低コスト要因は、自然条件のほかに、最大のものは「低賃金労働力」です。
このように、外国の農産物が安い最大の理由は、
「土地が広い」ことと「労動賃金が低い」ことにあるようです。
逆にいえば、日本の農産物が「高価である」最大の理由は
「土地の狭さ」と「労動賃金の高さ」にあるということになります。
農産物の価格は複雑な要因によって上昇する。
しかしこれが世界的に見て異常な事態であるとか、
日本の農家や農政が特に劣っているからとかいうことではありません。
農林水産省から発表されている「農業経営統計調査」を見ると、
2021年度の個人農家と法人経営体を合わせた
全ての農業経営体における平均所得は125万4000円となっています。
個人と法人で分けると、個人農家の平均所得は115万2000円、
法人経営体での平均所得は424万5000円。
サラリーマンの所得より低いことがわかります。
農業従事者の収入が低い理由としては
価格決定権の低さ、生産コストの高騰、農地面積の制限、
後継者不足など、国内の構造的課題が挙げられます。
また、国際的な競争に晒された食品市場では、農産物の価格が抑制されがちです。
さらに、自然災害によるリスクも農家の収入を揺るがす大きな要因になります。
野菜など園芸作物については個人の技術や労働力への依存度が高く、
連作障害対策、病害虫対策、品質・安全対策など
栽培面できめ細かな管理が必要なこと、
収穫後の調整、鮮度保持、輸送などのコストが大きいことがあげられ、
それがそのまま農産物の価格に反映されています。
農林水産省の発表によれば、2021年度(令和3年度)の日本の食料自給率は38%。
安い輸入野菜などに押され、作っても売れない。売れないから価格が跳ね上がる。
価格が高いから売れない、のデフレスパイラルに陥っています。
国内の農業従事者の待遇改善には
国内産の農作物を買えばいい、と言うことになりますが、それは現実的に無理。
わたしたちが口にする食材、
もちろん安ければ安いほど助かります。
けれど、その安さには、
農業従事者の苦労があってのことだということを忘れてはいけないと思います。
今日のヒメちー
おうどんに入っているオクラから、
ここまで話を広げられるとは…。
さすがはねぇやんです、感心します。
この興味が食べ物以外の物にも向けば、
きっとねぇやんは歴史に名を遺す人物であったはず。
誠に残念です。
褒められてるのかけなされているのかよくわからないわね。
ところでヒメちー、あなたが乗っているのって…。
ああ、これは椅子です。
普段台所にあるものがなぜかこんなところに。
ねぇやんが食べ物に異常な興味を示すようにまた、
ヒメも普段はないはずのものに興味を示すのです。
あーあ…。
何か問題でも?
ねぇやんねー、椅子使ってストレッチしようと思って、ここに持って来たのよね。
ちょっとおトイレ行ってる隙に…やられた…。
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