犬が歩いていて当たるのは棒なのか。
犬も歩けば棒に当たると言うことわざ。
goo辞書によれば
何かをしようとすれば、何かと災難に遭うことも多いというたとえ。
出歩けば思わぬ幸運に出会うことのたとえ。
となっており、丸きり逆の意味を持ちます。
反対の意味のことわざはいくつかあり、
「急がば回れ」と「善は急げ」、
「二度あることは三度ある」と「三度目の正直」、
「終わりよければすべてよし」と「始めよければ終わりよし」、
「覆水盆に返らず」と「明日は明日の風が吹く」。
互いに反対の意味のことわざを対義ことわざと言います。
例えば「情けは人のためならず」と言うことわざは、
人に対して情けを掛けておけば、巡り巡って自分に良い報いが返ってくる、
という意味ですが、
人に情けを掛けてやることは、結局はその人ためにならないと言う
間違った解釈が広く広まってしまったもの。
対義ことわざの代表でもあります。
では犬も歩けば棒に当たると言うことわざはどうでしょうか。
棒=災難と解釈するのならば、
例えば過去に棒で叩かれたことのある犬なら、
棒は嫌な存在、災難の象徴ではある。
野良犬が多かった日本の犬達の過去を顧みれば、
棒を振り回し、追い払われるなんてこともあったに違いない。
棒=良い事と解釈するのならば、
よく見かける光景。
犬が棒きれを咥えてうれしそうにしていると言うもの。
棒は、飼い主が投げて、取ってこーい、とするおもちゃ的役割と、
棒きれ自体をかみしめて、歯固めのように遊ぶおもちゃの役割が出来る。
英語では、The walking dog finds a bone.(犬も歩けば骨に会う)
The dog that trots about finds a bone.(歩きまわる犬は骨を見つける)
などとなっており、いい意味で使われています。
では、「情けは人のためならず」のように、
誤用が広まったのか、と言うと
「犬も歩けば棒に当たる」の場合は、
多くの辞書が、「幸運にあう」「災難にあう」どちらの意味も採用しています。
ただし、伝統的な「いろはガルタ」の絵札では、
犬が棒に当たって悲しそうな顔をしている図が多いようです。
ただ、棒にどんな意味があったとしても、
棒に当たったら痛いと思いますが。
このことから、「犬も歩けば棒に当たる」と言うことわざは
いい意味、悪い意味にも使えることわざなんですね。
これはもしかしたら、「犬」という単語が、
「忠誠、従順、貞操、友情、嫉妬、裏切り、邪悪・不浄の象徴」と
真逆の意味で使われることが多いからなのかもしれません。
犬は太古から人と生活を共にし、
その従順な性格から、人間に忠誠をつくす動物の代表格とされています。
が、「会社の犬」とか「○○の犬」と
スパイや手下の意味で使われてしまう事もあります。
これは人が犬を下に見ている悪い例です。
いい意味でも悪い意味でも使われる犬。
また、棒もいい意味と悪い意味を持つ。
当の犬本人は、
「そんな事知らねーよー」と思っているかもしれませんね。
今日のヒメちー
猫は歩いていても棒には当たりません。
おや?おやおや?
これはビニールですね。
猫も歩けばビニール袋に当たりますね。
それでは失礼して…。
これはThe cat that trots about finds a luckとしましょう。
犬も歩けば棒に当たる、ってやっぱりラッキーってこと?
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