ペットと暮らす。そこにあるマナーと人との共存。
わたしたちはひとの社会で、自身のペットたちが、
どれだけ迷惑を掛けずに生きて行けるのかを常に気にして生活しています。
鳴き声、糞尿。アレルギーのある人への配慮もそうでしょう。
日本人は世界的に見て「マナーがよい」と言われていますが、
ペットがかかわるとそうはいかないのが現実のようです。
だれでも自由に、ペットを飼うことができる。
ペットを飼うにあたってのマナーは自分で拾いに行かないと誰も教えてくれない。
これはある意味、人間の子育てにも通ずるものがあると思いますが、
世界に目をやってみると、
ペットを飼うのに「テスト」がある国があることに驚かされます。
スイスでは犬を飼うのにテストを受けなければならない。
動物愛護関連の法律が、世界で最も厳しいとされている国がスイスです。
動物の尊厳を憲法レベルで定めている国であり、
動物福祉に対する意識の強さが厳しい規制の数々にも表れています。
中でもスイスの厳しい動物愛護精神を象徴するのが「犬飼育の資格制度」。
車の運転に免許が必要なのと同じように、
犬を飼うために一定の知識やスキルが求められる決まりになっているのです。
新しく犬を迎えた家庭に対しては、政府またはドッグトレーナーから
「犬の基礎知識の講習」を受講し、テストに合格する必要があります。
「飼育に欠かすことのできない知識」を学ぶため、「合計4時間のしつけ訓練」と
「実技テスト」を受けることが、飼い主と犬の両方に義務づけられています。
経費は有料となり、合格して証明書が発行されないと犬を飼い続けることができません。
また飼育経験者だとしても新しく犬を迎え入れる際には、
新たに同様の実技試験が必要となります。
犬を迎えた後のしつけも当然重視されます。
実技テストでは、飼い主が飼い犬と一緒に街中に出て、
他の人や犬とすれ違う際に、飼い主が適切な対応ができるかどうかを、
行動学を専門とする獣医師が審査を行います。
資格が必要って、厳しい制度だなと違和感を覚えた方もおられるでしょう。
しかしすべての飼い主に素養を持つことを求め、
犬と暮らす家族としての自覚を促す資格制度には大きな意義があるように感じます。
スイスは動物の尊厳を憲法レベルで定めており、
動物福祉に対する意識の強さが厳しい規制の数々にも表れています。
またスイスでは、犬を販売する際は販売者の名前や住所、
犬の血統などを詳しく明記することが義務付けられており、
ウサギやモルモット、セキセイインコは孤独にならないよう
同時に2匹以上飼わなければならないといった規定もなど小動物を飼う際のルールもあります。
ドイ ツ、オーストリア、オランダ、チェコ、 スイス、フィンランドでは「犬税」もある。
犬を飼い始めたら半年以内に自治体に犬の登録を行わなければなりません。
これを受けて飼い始めて1年後に犬税の徴収が開始されます。
1頭で約170,00円、2頭め以降はさらに高額になります。
また、この犬税は自治体により異なり、特に都市部では高めに設定されているのだそうです。
2回目以降の犬税の徴収では、税の支払いと同時に証明書の提示が義務づけられていて、
登録および犬税の納付を行っていないと罰金を科されるのだそうです。
ただし、盲導犬や介助犬などはこれが免除されます。
また、法律では飼い主は自分で犬のフンを拾って片付けることが義務づけられており、
違反すると罰金約9,000円が課されるとのこと。
え?犬を没収?
動物の殺処分がない国として知られるドイツでは2001年に制定された法令で、
「犬だけを1日中留守にさせてはいけない」
「屋内では日当たりのある部屋で飼わなければならない」など、
犬の飼育環境や屋外での運動に関するルールが細かく明記されています。
一般市民による監視の目が厳しいことから、
不適切な飼育を通報する件数も多く、違反が続いた場合には
強制的に犬を没収されてしまうケースもあるそうです。
日本ではルールではなくマナー。
ペットを飼う人の数は年々増えています。
ペットの総数に比例して動物福祉に対する意識も高まり、
日本国内の法整備も確実に進んでいます。
日本では、まだ「犬を飼いたい人の義務教育」は実施されていないのが、現実です。
動物愛護管理法では、ペットショップに
「適正な飼養や保管に必要な事項を伝える」ように定めていますが、
子犬を購入した人は、早くお家に連れて帰りたくて、気もそぞろ。
飼い方のノウハウまで学ぼうとするような時間を割いてもらうことは、
現実的には、無理なのです。
犬を飼うことを希望している人に、飼育にかかる費用やお手入れや
しつけ・トレーニングなどにかかる時間や労力などについて学ぶことを義務化することには、
次のような効用が期待できます。
・子犬を手に入れるための金額以上に、育てるため、
健康を維持するために負担しなければならないお金がたくさんかかることを知って、
子犬の購入に慎重になる。
・健康に良い食餌の選び方、お手入れの仕方、トイレ・トレーニング、
犬とのコミュニケーション、散歩のマナーなどを学んで、
「かわいいから」「好きだから」というだけでは、犬は飼えないことに気づく。
・自分、そして同居している家族のライフスタイルに合った犬種は何かを考えてから、
子犬の購入を検討するようになる。
・子犬を受け入れる環境や心構えが整っていないことに気づいて、
飼うことを見送る、あるいは諦める。
飼うのを見送る。あきらめると言うことに関しては、
不幸な犬や猫が減るのに十分な効果があります。
「飼い主の義務教育」を普及するためには、むずかしくなく、
楽しく、深く伝えるような教科書が必要でしょう。
教える立場を飼い主としての経験がある先輩方に押し付けるのは酷と言うもの。
思わぬトラブルに発生するかもしれません。
知らないことを知ることに喜びを感じる人ばかりではありませんから。
動物愛護に関する観点は国によってそれぞれですが、
日本にはない法律の数々を目にする中で、
各国の「犬を飼うこと」に対する、さまざまな意識や価値観の違いに触れ、
また、動物たちへの接し方を見直すきっかけになるといいな、と思います。
今日のヒメちー
犬を飼うためのテストですか。
素晴らしい取り組みですね。
日本でも、犬も、猫も飼うのにテストを実施したらいいのに。
まあ、ねぇやんはきっと合格できませんけどね。
えー。そんなことないわよー。
こう見えてもねぇやん、テストの点は良かったのよ。
ふ…ふ…。
ふあ~あ。
ペロ。
では今のヒメの気持ちを答えてください。
えーっとねえ、ねぇやんがブログ記事にかかりっきりで、
遊んでくれなくってつまんないなー。早く遊んでくれないかなー、かな。
ぶぶー。
正解は…。
「眠いので早くあっち行ってください」です。
まだまだですね。
えー。
そんな天邪鬼ヒメちーの気持ちなんて分かりっこないわよ。
一般的な猫の気持ちでお願いします。
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