ウクライナから避難され、来日した方の連れた犬問題。
日本では、海外から入る動物は狂犬病予防法に基づき、
動物検疫所で最長180日間の隔離が必要です。
農林水産省は、ウクライナからペットを連れて避難してきた場合、
特例措置として検疫所での検疫検査のみで入国できるようにしました。
農水省によると、
2011年の東日本大震災時に各国の災害救助犬を受け入れた仕組みを活用する。
本来は日本入国前に本国で検査するなどの準備ができるが、
今回は戦闘状態という状況を鑑み、
書類を準備できないなど「特別な事情がある」と判断した。
個体識別のためのマイクロチップ装着や
ワクチンの2回接種、抗体価の確認という3点を満たした場合、
施設外への「持ち出し許可書」を飼い主に発行する。
飼い主には1日2回の健康観察や週1回の報告、
散歩時はリードなどをつけて他の犬との接触を避けることも求める。
ウクライナからの避難民は、
事前に日本の制度を知り得ない状況にあったとし、
特例措置を認めることにした。
出入国在留管理庁によると、ウクライナからの避難民は
今月17日時点で661人と5匹の犬が日本に到着しているという。
これは大きなバケツは用意したけれど、
肝心の底に穴が開いている、と言う状態だと思う。
震災時の災害救助犬はお散歩はしない。
市民と接触することもない。
もしももしも、ウクライナからの避難者が、
決まりを守らずに犬を外に連れ出し、
事故が起きた際、狂犬病に罹患した際は、
いったいどこが責任を取ってくれるのだろう。
狂犬病ってどんな病気?
狂犬病は、狂犬病ウイルスを保有するイヌ、ネコおよび
コウモリを含む野生動物に咬まれたり、引っ掻かれたりしてできた傷口からの侵入、
および極め て稀ではあるが、
濃厚なウイルスによる気道粘膜感染によって発症する人獣共通感染症である。
狂犬病は4 類感染症全数把握疾患に定められており、
診断した医師は直ちに届け出る必要がある。
人が狂犬病にかかる場合、直接の感染源となる動物の99%は犬である。
人畜共通感染症のひとつで、
WHOの推計によると世界で毎年5万5千人の患者が死亡しています。
インドや中国などアジアでの発生が大部分ですが、
アフリカ、ヨーロッパ、北米・中南米など全世界でみられます。
現在、狂犬病の発生がない国は、ノルウェー、スウェーデン、アイスランド、
イギリス、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド、
台湾、日本、グアム、ハワイ、フィジー諸島のみとなっています。
1957年以降日本国内発生はみられませんが、
1970年にネパールからの帰国者1名と
2006年にフィリピンからの帰国者2名が現地でイヌに咬まれて帰国後死亡した事例があります。国立感染症研究所HPより
日本は世界で11か国しかない狂犬病清浄国。
狂犬病は致死率が非常に高く、
世界では年間4万~7万人が死亡しているという。
1997年まで狂犬病の発生がなかったインドネシアのフローレス島では、
漁船の船に乗ってきた3頭の犬の中から狂犬病が発生し、
3年後には全島で流行。81人が死亡し、
63%にあたる50万頭の犬が殺処分された。
日本と同じく狂犬病の発生を見ないオーストラリアで
アメリカ人俳優のジョニー・デップの飼い犬が検疫を経ずに入国し、
即時送還か安楽死かという騒動にまで発展。
刑事罰では罰金2200万円もしくは禁錮10年。
ジョニー・デップ氏は罰金を支払ったとのことです。
正直そこまで厳しいのかと驚きましたが、
人間が発症した場合致死率ほぼ100パーセントの狂犬病。
哺乳類ならほぼすべて罹患する可能性があり
これだけ医学が発展しても未だ治療法は存在しない。
それくらいに恐ろしい病気であるがゆえに
日本ではすべての飼い犬に狂犬病の予防注射の接種が義務付けられています。
努力義務ではなく、義務。
けれど日本では平成5年には全国の登録犬の99%以上が接種していたが、
現在は71%にまで減少している。
「もう長いこと発生していないのだから、必要ないのでは?」
との声も聞かれるようですが、
それはこの予防注射がいきわたっているおかげとも言えると思います。
世論の批判を受けて、「専門家」なる人が現れ
「狂犬病が市中に出回る危険はない」と言い始め、火消しに回っているけれども、
では日本国民と、その飼い犬たちは、
その「心配ない」、物を恐れ
無駄なワクチン接種をさせられているのだろうか。
動物と一緒の避難の是非
では、犬は一緒に避難することはできないのか?
と言うと、わたしは可能であれば一緒に避難できた方がいいと思っています。
それでも検疫の必要性は大きい。
そこは申し訳ないけれど、避難先の国の基準に従うべきだと思います。
検疫を拒否した場合の犬の処分のデマ
検疫所では、一泊三千円のペットホテル費の負担がかかる。
最大で180日の隔離を受けた場合、54万円の負担になる。
この情報と、拒否した場合殺処分になる、と言う
誤った情報が独り歩きしているようですが、そのような事はありません。
滞在費のために税金を投入し、
クラウドファンディングや募金から費用を捻出することはできないのかしら。
ふるさと納税でもウクライナ支援を目的とした寄付を募っている自治体が多くあります。
札幌市、秋田市、高崎市、深谷市、秩父市、小田原市、
泉佐野市、あわじ市、別府市などなど…。
こう言った寄付を当てる事も可能だと思います。
アニコムホールディングスの取り組み
ペット保険を手がけるアニコムホールディングス(東京)は
ロシアが侵攻したウクライナからの避難民が帯同する犬や猫などのペットを対象に
医療費を全額支給すると発表した。
アニコムホールディングスと言えば
飼い主がコロナに罹患した場合のペットの預かりを
いち早く始めた会社。
「慣れない土地で暮らすストレスは人間も動物も同じ。
飼い主とその大切な家族であるペットの不安を少しでも拭えるきっかけになれば」。
同社によると、支給対象は狂犬病などの予防接種にかかる費用や、
体調を崩した際の診療・治療費。現時点で上限は設けない。
期間は避難者の日本での生活が安定するまでを想定。
診療場所は東京都や愛知県など同社が各地で運営するグループ動物病院となる。
支援を希望する人は、
アニコムホールディングスのホームページの受け付けフォーマットに
飼い主の名前や連絡先、ペットの種類などを記入する必要がある。
避難者本人が行うのが難しい場合は、代理人による入力も可能。
民間で出来る事をどうして国は出来ないのだろう。
今日のヒメちー
ヒメはままちゃんの事が大好きです。
ままちゃんもヒメの事を愛しています。
ねぇやんの事はそれほど…ですが。
ままちゃんと離れるなんて考えられません。
もしも、どこか知らない国へ、避難しなくちゃならなかったとしたら、
一緒に行きたいです。
ねぇやんだって、ヒメちーと離れ離れになるのならば避難なんてしたくない。
命からがら逃げてきて、ペットとまで引き離されてしまう事は
とても悲しく、身が引き裂かれる思いだと思います。
どうしても、と言う状況がやって来た時に、
わたしたちペット飼いはどのようにしたらよいのでしょうね…。
コメント