【猫の不思議】猫の爪はなぜ出したり引っ込めたりすることができるのか【爪の構造】 | ヒメとまいにち

【猫の不思議】猫の爪はなぜ出したり引っ込めたりすることができるのか【爪の構造】

 

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猫の爪の出し入れは自由自在。

 

猫の爪は普段は引っ込んでいて「見えない構造」なっています。

猫の爪 出し入れ 猫の爪切り 爪の構造

爪は肉球の間にしまわれていますが、

物をつかむとき、攻撃するときなど肉球に力が加わることで、

自由自在に出てくる仕組みです。

このことが、Cats hide their claws、

猫は爪を隠す、ということわざに繋がっています

 

自由自在に出したり引っ込めたりできるって面白い。

他の動物にはないネコ科特有の能力です。

そもそも猫の爪の出し入れの仕組みはどうなっているかというと、

弾性靭帯と深趾屈筋腱という腱が調節の役割を果たしています。

猫の爪が出し入れされる仕組みは、下記の画像のようになっています。

画像は「なじめばきまま様」https://cmqblog.com/cat-claw-work/

よりお借りしています。

猫の爪 出し入れ 猫の爪切り 爪の構造

https://cmqblog.com/cat-claw-work/さまより

猫の爪 出し入れ 猫の爪切り 爪の構造

https://cmqblog.com/cat-claw-work/さまより

 

爪の下にくっついている深趾屈筋腱(しんしくっきんけん)と呼ばれる

腱が引っ張られることにより、爪がシャキーン!と飛び出す構造です。

弾性靭帯は爪の根本と指の骨を手の甲側でつないでいます。

深趾屈筋腱は手のひら側にあり、

深趾屈筋腱が緩んでいるときは爪が引っ込み、

深趾屈筋腱が引っ張られると爪が飛び出る仕組みです。

猫はこの深趾屈筋腱を自分の意思で調節することができ、

必要な時には爪を出し、出さなくてもよいときには引っ込めています。

また、爪を自由自在に出し入れできるのは、

第3指骨の骨膜と繋がっていて末節骨が回転するためです。

この深指屈筋は実は人間にもあるのです。

人間の深趾屈筋腱は上肢の筋肉で第2〜5指DIP関節の屈曲、

手関節の掌屈を行います。

人も猫も、この腱が切れると力が伝わらないため、

指は曲がらなくなります。

子猫は爪を出し入れする筋肉が未発達なので、

爪をしまう事が出来ずに出しっぱなしになっています。

猫の爪 出し入れ 猫の爪切り 爪の構造

朝日新聞デジタルより

 

 子猫の爪は出しっぱなし?

まだ生まれたての子猫の爪が、

出しっぱなしになっているのはご存知でしょうか。

子猫に限らず、猫が爪を出しっぱなしにしてしまうには理由があります。

・子猫の場合

子猫はまだ爪を出し入れするための腱や筋肉が充分でないため、

爪が出たままになります。掌に載せた時など見やすくなっています。

生まれたての猫は爪が出ていても柔らかいものですが、

成長するにつれ、硬くなっていきます。

・老猫の場合

年を取ってくると爪とぎの回数も、費やす時間も減ってくるため、

十分に古い角質が落とせず、爪は伸びて出たままになってしまいます。

また、加齢によって爪を出し入れする腱が弱まってもきます。

代謝が落ちてくるので、以前より爪から透明感が失われ、

厚ぼったくなってきます。

子猫でも老猫でも、爪がちゃんととげていない、という事が主な原因です。

 

 

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猫の爪って切らないとダメ?

 

たいていの猫は爪切りが嫌いです。

ネコの爪はいくつかの層で出来ています。

イメージとしては玉ねぎやラッキョウのよう?

猫の爪 出し入れ 猫の爪切り 爪の構造

 

当然ですが、外側にいくほど古い層となります。

古い層はパサパサで硬くて割れやすくなっています。

新しい層はツルツルと柔らかく割れにくいのが特徴です。

猫の爪を適正に切らないと、

古い層が勝手に剥がれ落ちることがあります。

じゃあ、切らなくってもいいんじゃないの?と思われるかもしれませんが、

うまくはがれないと、肉球に刺さり、けがをすることもあります。

また、猫の爪は人間の爪とは違って

外側と内側の二重構造になっているのも特徴で、

爪の表皮は角質化しています。

角質化とは表皮の細胞にケラチンが沈着して硬くなることです。

これは人の体にも起こる現象ですね。

猫が爪とぎをする理由は自分のニオイを付けるマーキング以外に、

古くなった外側の爪を剥がすことで

鋭い爪を保とうとするためだとも言われています。

一方、爪の根元側はクイックと呼ばれ血管や神経が通っているので、

この部分を誤って切ってしまうと出血してしまったり、

猫に痛みを感じさせたりしてしまうので注意が必要です。

猫を完全室内飼いしている場合は、

爪切りをすることで事故防止に繋がることがあります。

例えば、爪切りをしていないとカーテンやラグ、家具などに

爪が引っ掛かって身動きが取れなくなってしまったり、

小さなお子さんや来客に怪我をさせてしまったりすることも考えられるでしょう。

もちろん飼い主と遊んでいる時にも。

爪切りを小まめにしておくことでそうした事態が起こる可能性を軽減できるほか、

家具や柱などへの被害を最小限に食い止めることもできます。

過度にとがらないように手入れをするのは当然ですが、例外があり、

外で飼っていたり家から外に出歩けるようにしている猫の場合は、

爪を切ってしまうと木に登れなくなったり

身に危険が迫ったときに武器として使うことができず、

逆に事故を招いてしまう危険性があります。

 

 人の爪は20本、猫の爪は18本。

猫は前足に5本、後ろ足に4本の爪を持っています。

前の爪は後ろの爪よりもとがっています。

あれ?よく見ると…。

後ろの爪は出ています。

ヒメちーの場合は毛が長いので見えづらいですが…。

猫の爪 出し入れ 猫の爪切り 爪の構造

リラックスしているはずなのに爪が出てるとは…。

もしかしてヒメちー、実は高い所が怖いとか?

猫の爪 出し入れ 猫の爪切り 爪の構造

爪の出し入れの調節はお手々(前足)だけの機能だったのです。

猫は後ろ足の爪が出ているのが正常でした。

 

 

ネコ科の動物はみんな爪を出し入れできるのか?

 

この爪をひっこめることができるという特徴、

ネコ科の動物全般にいえることです。

ライオンもヒョウも、爪を出したりひっこめることができるわけです。

しかし、そんな中で爪をひっこめることができないネコ科動物がいます。

チーターです。

猫の爪 出し入れ 猫の爪切り 爪の構造

千葉市動物公園HPより

 

多くのネコ科の生き物はツメを出し入れすることが出来ます。

ツメを引っ込め、音を立てずに忍び寄り、

そこから一気にツメを出し獲物を捕らえます。

しかし、チーターは持前のスピードを生かした狩りをします。

いかに速く走れるかがチーターの狩りのポイントです。

その為、チーターのツメは出し入れ出来ず、

出っぱなしになっているのです。

この出っぱなしのツメがスパイクのような働きをし、

地面を強く蹴ることが出来るのです。

また、スナドリネコもネコなのに爪は引っ込められないのも特徴です。

猫の爪 出し入れ 猫の爪切り 爪の構造

鳥羽水族館HPより

 

スナドリネコは爪を引っ込めることができません。

これは爪を引っ込めておく鞘の発達が遅いためだと考えられています。

スナドリネコはネコなのに水かきがあります。

イリオモテヤマネコは爪を引っ込めたときも

イエネコのようには完全に隠れないと言われています。

猫の爪 出し入れ 猫の爪切り 爪の構造

イリオモテヤマネコ剥製(国立科学博物館蔵)

 

犬と違って、猫は爪の出し入れが自由自在。

ただし、それができないネコ科動物もいるのね。

猫ってヤッパリ不思議で奥深い生き物だわー。

 

 

今日のヒメちー

 

ささ、そう言うわけでヒメちー、

お爪切りましょうねー。

解せません。

猫の爪の構造 猫の爪 猫の爪切り

猫族の大事な爪を…。

猫の爪の構造 猫の爪 猫の爪切り

あーーーーーーれーーーーー

猫の爪の構造 猫の爪 猫の爪切り

爪切りが嫌いな猫にとっては負担になるかもしれませんが、

出来るだけこまめに、伸び切る前に切ってあげましょうね。

…納得いかぬ、という顔はしますが。

 

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