殺処分ゼロのからくりと本当の殺処分ゼロへの取り組み。

 

スポンサーリンク

自治体が出す、「殺処分ゼロ」。の本当の意味。

 

5年前、2020年のオリンピックに向けて、

東京都ではある動物政策を打ち出しました。

それは「保護動物の殺処分ゼロ」。

ただしそこには、「譲渡可能な保護動物の」と言う但し書きがあるのです。

また、2025年の大阪万博開始に向けた

大阪市の殺処分ゼロには「理由なき」と言う前置きがついています。

譲渡不可能、とか、理由ある例外、と言うのはどのようなことか。

きちんとした定義があるわけではないが一般的には

治療が難しい感染症にかかり、

周囲の動物や人間に伝染すると危険なもの。

治療が難しい病気で、生きている限り苦痛を伴うもの。

攻撃性が高く、人間社会にもペット社会にも順応できないもの。

こういった動物たちは「譲渡不可能」として、現在でも殺処分され、

さらにその数字には乗りません。

治療が難しく、生きている限り、

その苦痛から逃れられない疾患を持つ動物たちは

「安楽死」と言う、魂の救済が行われます。

どうすれば、本当の殺処分ゼロ、と呼べるのか。

それは分母をゼロにしない限り、実現はできません。

分母をゼロにする、と言うことはすなわち、

誰一人動物を捨てず、

誰一人、動物を保健所に持ち込まず、

飼い主のいない犬猫を作らない、と言うこと。

 

 日本の動物愛護の歴史

1973年に初めて、

「動物の保護及び管理に関する法律」が制定された。

この時すでに、

動物の愛護と管理の責任を自覚して、適正に飼育せよ、と言う条例が交付されている。

その後、この動物愛護法は改正され、

より動物たちに寄り添ったものとなっている。

 

初めて動物愛護法が制定されてから50年。

この適正な飼育、と言うのは残念ながら守られていない。

2012年に捨てられた犬や猫の数は約22万匹で、

そのうち殺処分されたのが約17万匹です。

つまり、殺処分率が約77%という非常に高い数値になっているのです。

動物の飼育にはお金も時間も労力もかかる。

日本動物愛護協会より

 

事実、こういった理由での動物の遺棄は後を絶ちません。

保護センターに持ち込めば、自分の手からは離れたことに安どするのでしょうが、

保護センターでも同じように、お金も時間も労力もかかるのです。

 

 

スポンサーリンク

殺処分ゼロは絵に描いた餅か。

 

日本において殺処分ゼロというのは無理なのかというと、

実はそうではありません。

例えば、平成25年度では、札幌市、神奈川県、熊本市が犬の殺処分数がゼロになり、

26年度では神奈川県は犬と猫の両方で殺処分ゼロという数字を達成しています。

なぜ神奈川県は殺処分ゼロを達成できたのかというと、

神奈川県ではボランティア活動が活発で、

ボランティアの方が一生懸命殺処分ゼロを目指しているからです。

単純に捨て犬や捨て猫を飼いたい人に譲るのではなくて、

その人達がきちんと飼育できるかどうかまでチェックすることによって、

再び犬や猫が捨てられるという悲劇を未然に防いでいるのです。

また、神奈川県では県庁の駐車場にて

捨て猫や捨て犬の譲渡が行われているなど、

県全体が殺処分ゼロを目指しているという動きがあります。

迷い犬や迷い猫を収容している間に病死してしまうことはあるようですし、

怪我や病気が酷いときには安楽死という手段を取ることもあるそうですが、

いわゆる殺処分というのは神奈川では行われていません。

ただその神奈川県でも、

当初90匹を想定していた収容数が、

現在では200匹を超え、職員の負担が大きくなっているようです。

 

 殺処分ゼロに、行政ができること

日本において、保護動物の殺処分ゼロを実現するためには、

以下のような取り組みやアプローチが考えられます。

・適切な法律と規制の整備

動物愛護法や関連法令を改正し、

保護動物に対する殺処分の規制を強化する。

また、動物虐待に対する罰則を厳格化する。

・教育と啓発活動

動物保護に関する教育プログラムを学校で実施し、

子供たちに動物への愛と責任を教える。

また、一般市民に対しても動物の権利と保護についての啓発活動を行う。

・動物の不妊・去勢手術の推進

動物の過剰な繁殖を防ぐため、

不妊・去勢手術の普及を促進する。

これにより、野良動物の数を減少させることができ、

殺処分の必要性を減らすことができます。

・保護施設の改善

保護施設の設備や運営を改善し、

動物たちの生活環境を向上させる。

また、保護施設の過度な過密状態を解消するために、里親制度の推進を図る。

政府、地方自治体、非営利団体、ボランティア団体、

そして個人の協力を得て、緊密な連携を築く。

持続可能な動物保護プログラムを共同で実施し、殺処分の削減を目指す。

 

 殺処分ゼロ、個人でできること

個人としても保護動物の殺処分ゼロを実現するために貢献できることがあります。

・里親になる

動物保護施設や保護団体から里親になることで、

保護動物の新たな家庭を提供することができます。

これにより、保護動物の生命を救い、新しい家族を迎える手助けをすることができます。

・不妊・去勢手術の推進

自分のペットを不妊・去勢手術することで、

過剰な繁殖を防ぎ、野良動物の数を減らす手助けをします。

また、この手術の普及を促進するために周囲に啓発活動を行うことも有益です。

・寄付とボランティア活動

動物保護団体や保護施設に寄付を行う、

またはボランティアとして協力することができます。

資金や時間を提供することで、動物たちの世話や施設の運営に貢献できます。

・教育と啓発

動物保護に関する情報を広め、

他の人々にも意識を高める手助けをします。

SNSやコミュニティで動物保護について情報を共有し、議論を促進することが有効です。

・自身のペットの適切な飼育と世話

自身のペットに対して適切な飼育環境と愛情を提供し、

動物虐待を防ぎます。ペットの飼育に責任を持ち、適切なケアを提供しましょう。

 

 フランスでは2024年からペットショップでの「犬や猫の販売禁止」

ペット大国と呼ばれるフランスでは、

2024年から、ペットショップで生体の販売が禁止されます。

フランスでは動物を飼っている人の割合は50.5%。

フランスのペットショップで犬や猫の販売ができなくなる理由は、

捨てられるペットが後を絶たないから。

なんと毎年10万匹もの犬や猫が捨てられている。

捨てられる時期は5月から8月に集中しており、

夏のバカンス時に「旅行に連れていけない」といった理由で

ペットを手放す飼い主がいるのが現状。

ペット大国でありながら、ペットへの意識は低いように見える。

こういう話を書くと、

ブリーダー、ペットショップをなくせ、という議論になりますが、

わたしはそのどちらも「種の保存」という観点からは

必要なものだと考えています。

例えば、固有の特徴を持つ犬や猫。

個人が飼育するには、繁殖は無理であることが多いです。

個人飼育者が避妊、去勢してしまえばその種は滅びることになります。

動物のブリーディングはお金になるからと言って

動物に対して愛情のかけらもない人が

利益のためだけに繁殖させる。

命を取り扱っている意識が希薄で、

利益至上主義に支配されているから問題が起きるのであって、

そこに廃止の議論がわくことには心底不思議に思います。

ではブリーダーはボランティアとなるべきか。

それでは繁殖させて育てる人がいなくなってしまいます。

どうすればいいのか。

まだ答えは見つかりませんが、

こうして啓発活動を行うことによって、

皆さんと一緒に考える機会になればいいな、と思っています。

 

 

今日のヒメちー

 

こうしている今日もどこかで、

同胞たちが命を全うできず、虹の橋を渡っています。

これはとても悲しいことです。

ひとの都合で飼われ、

ひとの都合で捨てられていく。

捨てられた瞬間、

その命はなくなるものと考えてください。

猫だって犬だって、

ただ幸せに生きたい。それだけです。

おりしも9月20日からは動物愛護週間。

ひとと、動物たちの幸せ。

答えは出なくとも、常に頭においておきたい問題です。

 



コメント

  1. まだまだ寄り添う、共生というよりは、譲歩っていう経緯うが正しいところが多い現状の保護政策ですが、昔と比べれば少しであるとはいえ、前進してきているのも現状。

    これを後押しできるような、ねぇやんさんのこのような発信は本当に大切だと思います。

    僕も頑張ってかねば!