血統書が発行できる犬猫と発行できない犬猫の違い
ペットを飼っていれば誰しも
「血統書付き」と言う言葉を聞いたことがあるかと思います。
「血統書」と言うのは家系図のようなものと言えばわかりやすいでしょうか。
血統書とは人で言う戸籍謄本に近く、その犬や猫の出生を公的に証明する書類です。
当然、血統登録された両親から生まれた、
出生がはっきりとしている犬猫以外には発行されません。
血統書には、犬や猫の品種名、名前、性別、生年月日などの他、
両親とその祖先が記載されています。
その血統書を管理しているのは犬の場合は、
JKC・ジャパンケネルクラブと言う組織になります。
いずれも純粋犬種、猫種の犬籍・猫籍登録、血統書の発行、
災害救助犬の育成、犬や猫の正しい飼育指導、
ドッグショー、キャットショー、訓練競技会、アジリティー競技会、
フライボール競技会などの開催などを行っています。
血統書付きでなければいけない、と言うことはなく、
血統書は血筋を証明する書類であり、
その両親から生まれる子犬の健康状態や優劣をはかるものではありません。
ドッグショーやキャットショー、競技大会に出場する際には必要となりますが、
一般的な飼い主が日常生活で使うことはほとんどないため、
血統書がないことでのデメリットやリスクもありません。
血統を守るために発足したJKC
ジャパンケネルクラブが発足したのが戦後、1949年のこと。
それまでは日本には血統と言う概念がありませんでした。
当時洋犬、洋猫は輸入されてきたもの、
交配なども自由にさせていたため、血統が守られることは少なかったのです。
戦時中、犬の血統を守るため奔走した人がいたように
血統を守り、管理することは必要だと考えられるようになります。
アメリカではAKCが1884年に発足していますので、歴史は浅いですね。
世界で最も古い愛犬家団体は1873年に設立された
イギリスのザ・ケネルクラブ(The Kennel Club、略称:KC)。
アメリカンケネルクラブ(英語:American Kennel Club、略称:AKC)は、
世界で2番目に古い愛犬家団体です。
犬に出遅れた猫…乱立する猫の血統書管理
猫の愛猫科団体と言えば、CFA、TICA、FIFeが有名です。
これはいずれも海外で発足した団体。
日本ではキャットクラブと名乗る団体が乱立しています。
1800年代の終わり頃、動物の品種作出に優れているイギリスで、
猫協会の設立と同時に、猫の品種認定を目的として、その登録が始まりました。
これは犬の団体にも
JCC(日本コリークラブ)、秋田犬保存会、秋田犬協会などがあるのと同じで、
根本的に犬の団体とは考え方も目的も違うからのようです。
猫の血統書は優秀な証ではない!血統書に隠された意味と正しい見方
血統書付きの猫と聞くと、大変優秀な由緒正しい猫のような気がしますが、
実は血統書付きだからといって
特に能力や見た目が大変優れているというわけではありません。
元々はイギリスで、猫を品種認定するために始められた制度で
現在はその猫が本当にその猫種であると証明するためや、
繁殖元を証明するためなどに用いられています。
つまり血統書付きの猫は、どこでどのような親猫から生まれたかという
出生元がハッキリしているだけで、
その猫が優秀なため与えられるものではないということです。
猫の血統書は以下のようなことが書かれてあります。
キャットクラブ
血統書を発行するクラブの正式名称、その下に公認血統書であることが印刷。
猫名
繁殖家の名字であるキャッテリーネームと猫の名前です。
登録ナンバー
各クラブの登録台帳にファイルされており、
CFAでは猫種毛色ナンバーの後に登録順の番号が記載されています。
血統猫にとって非常に重要なものです。
品種名
公認された猫種、SOMALIと記載されます。
カラー、性別、生年月日、ブリーダー名、オーナー、登録責任者
これはご説明不要かと思いますので省略します。
系図
両親、祖父母、曽祖父母の順で名前と登録番号、毛色が左から記されています。
タイトルを保持している場合は猫名の前に、
CFAでは、チャンピオン(CH)、グランドチャンピオン(GC)、
ナショナルウィナー年間入賞(NW)、プレミア(PR)、グランドプレミア(GP)の略号が記入されます。
ここで重要視されるのはタイトル保持、と言うところでしょうか。
タイトルと言うのはそのまま、チャンピオンであるという証。
この場合のチャンピオンと言うのは、
団体が定めたスタンダードにいかに近いか、と言うことです。
これもやはり、その犬猫が優れているという証明にはなりません。
じゃあ、血統書なんて意味がないのじゃないの?と思われるかもしれませんが、
血統を守るためにはその猫の出生を明らかにしなければなりません。
主性が明らかであれば、禁忌と言われている近親交配や、
スコティッシュフォールドの折れ耳同士の交配、
マンチカンなどの短足同士の交配など
遺伝子疾患を持ちやすく病弱で短命な猫が生まれることを防げます。
親子や兄弟などと交配させる近親交配や、
危険と言われている無茶な交配をした犬・猫は血統登録はできません。
そのような規制の意味も血統書には含まれています。
結局血統書って、必要なの?
血統書付きの犬や猫は純血種である証明をされているわけですから、
雑種犬・猫に血統書が送られることはありません。
しかし、血統書が発行されていない犬・猫でも大変優秀な猫はたくさんいますし、
雑種犬・猫でも芸達者で大変可愛いアイドル犬・猫もたくさんいます。
血統書とはあくまでもドッグショー・キャットショーに出場するために必要な証明書、
またはブリーダーやペットショップが譲渡、販売するための一つの基準です。
たかが紙切れ1つでその犬や猫の価値は決まりませんので、
血統書はあくまでも1つの目安と考えておきましょう。
血統書付きの犬や猫は両親や祖先の情報、繁殖者の名前が記載されているため、
悪徳ブリーダーから犬や猫を入手してしまう確率が少なくなるという意味では大変役に立つものです。
しかしペットとして犬や猫を飼うヒトにとっては
血統書があるかどうかはそれほど重要なものではありません。
一番重要なのは、そのわんちゃん、猫ちゃんを幸せにしてあげられるかどうかです。
血統書がなくてもその犬や猫の個性に変わりはありませんし、
大切な家族であることに変わりはありません。
血統書付き、付いていないは気にせずに
一生を共にしたいと思える運命の子を探してあげてくださいね。
今日のヒメちー
血統書があろうとなかろうと、
ヒメはヒメです。
血統書がなくとも、ままちゃんはヒメを可愛がってくれますし、
大事にしてくれています。
ねぇやんは…まあ。
ふあ…
あー…。
怒って牙をむいているのではありません。
あくびです。
…ふう。
ぺろっ。
もしも犬や猫の血統を
犬や猫の優劣を測るものだと考えている人間がいたら、
まず己の血統書を差し出してみなさい。
そういう事です。わかりますよね。
ヒメちーってこんな顔してるじゃない。
雑種だと言うと、あからさまに嫌な顔する人がいるのよね。
そんなあなたもきっと「雑種よ」と言ってやりたいわ。
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