【犬神伝説】各地に伝わる犬神伝説とは。化け猫だけじゃない、人の犠牲になった動物たち【蠱毒】 | ヒメとまいにち

【犬神伝説】各地に伝わる犬神伝説とは。化け猫だけじゃない、人の犠牲になった動物たち【蠱毒】

 

スポンサーリンク

恐怖の呪術“犬神”、その正体は本当に犬なのか?

 

みなさんは、犬神というものをご存知ですか?

佐脇嵩之『百怪図巻』より「犬神」

佐脇嵩之『百怪図巻』より「犬神」

 

ものすごく簡単に紹介してしまうと、

日本古来の呪術の一つです。

化け猫の記事を書いた時に、

 

犬は化けて出ないよね?と言ったら、

「犬神」と言うものがあるよー」と教えていただきました。

猫はお化けなのに犬は神様とはどういうこと?差別だわ!

と思って犬神について調べてみると…。

なかなかに壮絶な神様でした。

犬神は、妖怪と呼ぶよりも憑き物として伝わるモノ。

「狗神」と書くこともあるようです。

江戸末期に活躍した国学者・岡熊臣(おかくまおみ)が書き残した博物書

『塵埃(じんあい)』に描かれた犬神の姿は、

体長1尺1寸(約33センチ)の蝙蝠に似た姿でした。

犬神 岡熊臣 塵埃

岡熊臣 塵埃より「犬神」

 

この描写と呼応するように、犬神について伝えてきた西日本各地におけるその姿は、

「大き目のネズミ」「モグラの一種」

あるいは 「ハツカネズミやジネズミに似ている」 「白黒まだらのイタチのよう」

などと伝えられており、一定の共通した姿かたちを連想させます。

口先の尖った小動物のような外見をしています。

特に西日本の広い範囲に犬神信仰があり(現代においても残っている地域も多いとか)、

また憑き物筋として「犬神持ちの家系」と呼ばれるものがあるようです。

犬神の発祥としては、蠱術(こじゅつ)が民間に広まった際に出来たのではと言われています。

 

 

スポンサーリンク

世にも恐ろしい呪い、蠱術(閲覧注意)

 

蠱術と言うのは

蠱毒(こどく)は、古代中国において用いられた呪術を言う。
動物を使うもので、中国華南の少数民族の間で受け継がれている
蠱道(こどう)、蠱術(こじゅつ)、巫蠱(ふこ)などともいう。
『隋書』地理志によれば「五月五日に百種の虫を集め、
大きなものは蛇、小さなものは虱と、併せて器の中に置き、
互いに喰らわせ、最後の一種に残ったものを留める。
蛇であれば蛇蠱、虱であれば虱蠱である。これを行って人を殺す」といったものである。

wikipediaより

wikipediaにある通り、互いに共食いさせ、

勝ち残ったものが神霊となるためこれを祀る。

この毒を採取して飲食物に混ぜ、人に害を加えたり、

思い通りに福を得たり、富貴を図ったりする。

人がこの毒に当たると、症状はさまざまであるが

「一定期間のうちにその人は大抵死ぬ」と言われる、恐ろしい呪術です。

犬を使用した呪術であれば犬神、

猫を使用した呪術である猫鬼と呼ぶようです。

犬神は平安時代には禁止令が出された程に恐れられました。

犬神を使役する為の儀式には諸説あり、

「飢えた犬の首を斬り落とし、更に道に埋めてその上を多数の人に通らせ、

恨みを溜めこんだ犬の霊を使う」

だとか、

「犬の頭部のみを出して生き埋めにし、その前に食物を見せて置き、

餓死しようとするときにその頸を切ると、

頭部は飛んで食物に食いつく。その犬の頭部を祀る。

すると永久に頭部を斬った者に憑き、願望を成就させる」

などと言われています。

その犬神を作り上げた人物が死すればその子に、

その子が死すればその孫に、あるいは他の家族に、

とその血統が絶えるまで、呪いは続く、とされており、

これが「犬神憑き」と呼ばれるようです。

 

 

犬神の正体とは…。

精神医学の専門誌、その名も「精神医学」という雑誌では

山陰地方の狐憑き

滋賀県湖東の山村で発病した猫憑き

北海道のトゥス

群馬のオサキ憑き

徳島の犬神憑き、などの

日本各地の研究者が、実際に経験した

憑依現象についての論文が掲載されていました。

それによると、犬神が憑依するとどうなるか。

これは非常に範囲が広くて、いわゆる人格が変化する憑依状態のほかにも、

突然の高熱や足の病気、果ては登校拒否に至るまでがすべて

犬神憑きによるものと考えられてしまう、とのこと。

原因不明の病気、あるいは現代医学では治療できない病気はすべて

犬神による憑依と解釈され、「犬神落とし」のお祓いが行われると言う。

家族や自分が理不尽にも精神疾患や慢性疾患にかかってしまった場合、

いつまでも原因不明の症状と言うわけにはいかない。

それを「犬神憑き」と名づけることによって、

ただの意味の分からない症状ではなくなる。

その原因不明の症状には名前と意味が与えられ、

「病気」と言う扱いになる、と言う事のようです。

 

化け猫も犬神も、人の業が作り上げた、いわば犠牲者のようなものです。

一番罪深いのは…人だった、と言う事でしょうか。

いずれにせよ、現生ではそれが、一般的には

特異なものとされているのがまだ救いがあると言う事です。

 

 

今日のヒメちー

あれ?ヒメちーどこ?

犬神 犬神伝説

まあきっと、箱の中だろうけれど…。

ためしに箱をつついてみようかしらね。

居たー。

犬神 犬神伝説

犬神 犬神伝説

ヒメは寝てたのに…。

犬神 犬神伝説

いたずらするとかひどいです。

犬神 犬神伝説

犬神 犬神伝説

化けで出ますからね。

犬神 犬神伝説

でりゃー

犬神 犬神伝説

犬神 犬神伝説

きゃー、怖い。

ヒメちーってば化け猫よりもずっと怖いわ。

 

このエントリーをはてなブックマークに追加 ブログランキング・にほんブログ村へ

よろしければ読者登録お願いします。
ヒメとまいにち - にほんブログ村
スポンサーリンク
雑学 雑記 雑記
スポンサーリンク
スポンサーリンク
ヒメとまいにち

コメント

  1. 狗神は映画でその存在を知りましたが、それとなるには相当残忍な儀式を経ていたようですね(*´ω`*)
    贄にするというのは、供物を捧げるというところから、その認識がどんどん膨らんできたという感じですかね・・・
    いずれにせよ、現生ではそれが一般的には特異なものとされているのがまだ救いというところでしょうか(*´ω`*)

    • さすがはえたばりゅさん、いい事言う。
      「現生ではそれが一般的には特異なものとされているのがまだ救いという…」の部分、
      追記させてもらってもいいでしょうか。いやだと言われてもしちゃうけどw

  2. 今から30年以上前、高校への自転車通学中に腹が痛くなり全然知らないお宅に「トイレ貸して下さい」とお願いしたところ、その家の方から「娘が犬神憑きで、家の中におるもんでスマン」と言われました。姿は見ていないので本当かはわかりませんが、それより以前にアル中で逝った叔父が「賢見はん(犬神おとしで有名な神社)がワシの中に入る夢を見た」との言葉をたびたび聞いていたので恐ろしくなり、そそくさとそのお宅をあとにしました。
    しょうもない話でお目汚しすみません。

    • 初めましてこんにちは、コメントありがとうございます(*´ω`*)
      凄い、本物の犬神付きを身近で体験しておいでなんですね。
      わたしのは資料や本からの情報だけですので、リアルな体験、参考になります。
      叔父様、犬神様に魅入られてしまったのでしょうか…。
      お亡くなりになるまでどのようになさっていたのかも気になるところです。

タイトルとURLをコピーしました