「だれでもトイレ」と呼ぶことで、使いづらくなってしまうトイレ事情 | ヒメとまいにち

「だれでもトイレ」と呼ぶことで、使いづらくなってしまうトイレ事情

 

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「だれでもトイレ」と呼ばないで

 

障害者や小さな子ども連れの人などが使う、広めのトイレ。

「多目的トイレ」「多機能トイレ」と呼ばれ、皆さんも目にしたことがあると思います。

多目的トイレ

お笑い芸人の方が不適切な使い方をしたことでも話題になりました。

この「多目的トイレ」と呼ばれるもの、

もともとは「障害者用トイレ」や「車いす用トイレ」という名称でした。

障害のある人をサポートする目的で、1994年に施行された

「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる

特定建築物の建築の促進に関する法律」(通称「ハートビル法」)が制定されたことにより、

「障害者用トイレ」「車椅子専用トイレ」などの名称で整備が進みました。

これをきっかけに

障害者や高齢者が利用しやすいバリアフリーの考え方が社会に浸透していきます。

しかし

車いす利用者だけでなく、

乳幼児連れのためのおむつ交換ベッドや、

オストメイト向けの洗浄設備など、次第に機能が増えていきました。

これによってトイレの名称も「多目的トイレ」や「多機能トイレ」と

名付けられるようになったということです。

多機能トイレと障碍者用トイレの違い

バリアフリートイレとは、

あらゆる人が気兼ねなく使えるように設計されたトイレのこと。

その人の持つ特性や性別、年齢などにかかわらず、

あらゆる人が気兼ねなく利用できるように設計されたトイレのことです。

 

 

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全ての機能を押し込んでしまうことによって、結局、誰にとっても使いづらいものになってしまう

 

いわば、よかれと進めてきたトイレの多機能化。

しかし今では、多機能になったがために利用者が増え、

入れない人が増える要因となってきているといいます。

駅や休日の商業施設。トイレも大混雑です。

これまでは、混んでいるのは女性用トイレと言う印象でしたが、

今は車いすの方や小さな子ども連れなど、

多目的トイレの利用が必要な人で混雑している印象です。

ただ、あまりに利用時間が長いのでドアをノックするとすぐに出てくる、

という人も多いし、化粧や着替えをしていたのかな

という感じの人も見受けられます。

多目的という名称のために、必要でない人も利用していたのです。

この実態を受け、国は、

建築物のバリアフリー設計のガイドラインの中で、新たな方針を示しました。

『“多目的トイレ”や“多機能トイレ”など、

高齢者・障害者以外の者が誰でも使用できるようなネーミングを避けること』

つまり、「多目的」などの誰でも入れるような名称は避け、

障害者など利用者を絞ることで混雑を避けようというのです。

一方で、例えば「車いす対応トイレ」などと名称を絞ってしまった場合、

ほかの利用者が使いにくくなるおそれもあります。

このため、「小さな子ども連れ」や、

人工の肛門やぼうこうをつけている「オストメイト」など、

利用できる人をわかりやすく示すピクトグラムも表示しようとしています。

多機能トイレ 新案

これで解決するのか?と言うと、解決はしません。

 

 子育てをした方なら誰でも経験があるであろう、「トイレ問題」。

ベビーカーに乗せたまま入らざるを得ない時期。

年上の兄弟を連れての乳幼児のおむつ交換。

子どもが動き回るようになる年齢。

自分でトイレはできるけど親の見守りが必要な年。

成長に合わせて、子供を連れてのトイレには新たな問題が現れます。

「バリアフリートイレ」内に子連れ向けの機能を追加すれば、解決します。

ただそのことで逆に込み合い、

トイレのタイミングが難しい人の使用は難しくなります。

同伴者がいないと入れないので、一般のトイレの広さでは難しい。

病気でトイレを我慢できず、一般のトイレまで行くと間に合わない。

狭いトイレだと、発達障害の子どもはパニックに陥ってしまう。

こういった方の利用もあるでしょう。

その中には見た目で障害と分からない人も多くいます。

多目的にし、門戸を広げると、

使えるようになり助かる人は出てくるけれど、

他のトイレを使うことができない人は困ってしまう。

この問題を解決する方法はあるのでしょうか。

 

 

時代とともに変わるトイレ事情

 

昭和の時代のビルや商業施設のトイレは、

男性用も女性用も広さは同じ。

つまり個室を多く設ける分、女性用のトイレは少ない、

と言ったことがあったようです。

混雑する女性用トイレ。

これを解消するため、現在では女性用トイレのスペースを大きくとっています。

と言うことは…。

男性用トイレ、女性用トイレ、

障碍者用トイレ、多目的トイレ。

これを分けて作れば、問題は解決するのでは。

けれど、トイレスペースを新たに作るのには場所も費用もかかります。

商業施設の各階に設置しなければ、利用しづらいでしょう。

トイレの名称を変更するだけでなく、

多目的トイレの機能を分散し、増やしていくことが重要。

「バリアフリートイレ」内に子連れ向けの機能を追加すれば、

スペースが必要になり、重装備になって、

高齢者や障害者にとっては使いづらくなってしまう。

おむつ交換台を閉めて行かない、と言うだけで、

車いす利用者はトイレをスムーズに使えなくなってしまう。

現在の多目的トイレほど、多くの機能や広さがなくても、

一般の男女別のトイレの中に、車いす用や子連れ用、

オストメイト用などの機能を分散させて設置するのはどうだろう。

トイレは多様な人々が暮らす社会を映す鏡。

誰でもが使うものです。

名称変更だけでは解決しない、切実な問題です。

多機能トイレ 思いやり利用

『障害者が暮らしやすい社会=誰もが暮らしやすい社会』

『目に見えない障害者への理解も進めば、もっと良い社会になる』

それぞれの事情で、多目的トイレを必要としている人がいます。

まずは、少しの理解と意識を持つこと。

これが社会をよくするきっかけになるのではないかと感じました。

 

 トイレはジェンダーのシンボルか

少し話はそれますが、トイレのジェンダー問題。

近年ではトランスジェンダーの人がストレスなくトイレを使用できるよう、

多機能トイレに「オールジェンダー」と表示する企業や施設も出てきています。

今年竣工した歌舞伎町タワーでは

女性用トイレを削り、誰でも使えるジェンダートイレを設置し、話題になりました。

ジェンダーの方は、ご自分が枠にくくられることには抵抗はないのでしょうか。

結局利用者がなく、このトイレは改修されました。

トイレや温泉。

ジェンダーの人は女性用男性用どちらを使うべきか。

ジェンダーの人のお気持ちを察することができずに申し訳ないのですが、

わたしは身体の性の特徴を持つほうを使うべきだと思います。

「俺は男性の成りをしているけれど、心は女性なんだ」と言う人が

女性用トイレに入ってくるのは嫌です。

「心は…」と言うのはいくらでも言うことができます。

男性用にも女性用にも、個室があるのだから、

それを使用してほしいと思っています。

 

 

今日のヒメちー

 

ひとも猫も、トイレは大事です。

猫 トイレ事情

なのにここのうちでは、猫のトイレはフルオープンです。

まったく配慮がないったら…。

猫 トイレ事情

ちょっと!

聞いてるですか?

ちょっとの配慮で暮らしやすくなるという、

いいお話してるですよ。

猫 トイレ事情

誰ですかテレビ台の上に物置いたのは。

これじゃ登れないじゃないですか。

まったくもう、ぶつぶつ…。

配慮と言う言葉、トイレに流してきちゃったですか?

猫 トイレ事情

この間の身障者用パーキングスペースのお話もそうだけど、

 

みんなが配慮することで、

気持ちよく暮らせる世の中になるかもね。

 

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コメント

  1. これ、本当に難しいよねぇ。
    全部個室にしてすべての人が入れる‥というのもイキナリは難しい‥、心理的にね。 
    居酒屋などで男性用、女性用、どちらも、というのがあり女性が空いてなくても、どちらも入れるトイレはなんとなく避ける人多いんじゃないかなぁ
    でも時間も変わればいろんなことが変わる。過渡期だからそう思うけど、それが当たり前になるんだろうな、と思ってます。

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