動物は丸みを帯びるほどかわいい。異論はない。
猫は可愛い。多分地上で生きる生物の中で一番かわいいと思う。
犬を飼っている人ならば、
いやいや。それは犬だろう。犬の可愛さに勝てるものはいない、と言うでしょう。
わが子が一番かわいい。
これは「ひいき目」と言うものも入ってそう感じさせるもの。
ところが、誰も飼っていないのに可愛い。そんな生き物もいるのです。
それはパンダ。
そもそも、「かわいい」とは何なのか。
笑顔、やわらかい色合い、そしてベビースキーマ。
ベビースキーマとは、人間や動物の赤ちゃんに特有の性質のこと。
手足が短い、体や顔が丸々としている、頭や目が大きい、
おでこが広いなどの特徴は、私たちの「守ってあげたい!」という気持ちを刺激し、
「かわいい」と感じさせるという。
パンダはこれに該当します。
顔の輪郭、耳、目、目の周りの黒いふち、鼻、すべてが丸でできている。
曲線は、穏やかさや柔軟性を意味します。
キティちゃんやアンパンマンなど、多くの人気キャラクターに共通する特徴です。
さらに、ドングリのような丸い瞳は好奇心を、
黒ぶちで形作られた垂れ目は包容力を表し、
見る者に「私のことを受け入れてくれそう」という印象を与えると言います。
パンダの可愛さはベビースキーマだけじゃない。
見た目だけでなく、手足の短さゆえのぎこちない動き。
パンダの動く姿というと、バランスを崩して尻もちをついたり、
坂から転げ落ちたり、木からぼてっと落ちたりと、
どこか危なっかしい絵が思い浮かびます。
これは歩き始めの赤ちゃんの動きに類似しています。
パンダのかわいさは、赤ちゃんっぽさとも言い換えられるようです。
いっぽうで、パンダの目には「強さ」を感じさせる部分も。
ふち模様の影響で垂れ目の印象が強いが、実は目尻自体は上がっているのです。
試しにパンダの目の周りの黒い部分をとってみると…。
可愛いけれど、なんか違う。そういう感じがあります。
パンダのどっしりした体は、地面をノソノソ歩くのに適した原始的な形であると言われます。
が、パンダは実は走行平均速度は時速32kmとも言われ、
これは、100mを11.2秒で走る速さです。
早く走ることができるのに走らない。
その怠惰な生活っぷりに、ひとは憧れを抱くのかもしれません。
弱肉強食の世界に身を置くと、
動物はスピーディーな身のこなしができる効率的な体に進化する。
いっぽうパンダは、他の動物が見向きもしない
硬いタケやササを食物にすることで競争を避けるという、
マイペースでガラパゴスな生き方を選んだ。
タケやササは栄養効率が悪いため、
1日14時間かけて大量に食べることでようやっと栄養素、カロリーを満たせます。
つまりは起きている間中食べているということになります。
タケやササだけでなく、他の食事もとることができる動物園などでは
遊具で遊ぶなど余暇の時間がとれますが、自然界ではそんな余裕はありません。
進化の末に前脚の骨がこぶのように出っ張ってできた「第六の指」で器用にタケを握り、
左右の歯を交互に使って絶え間なくかみ続ける。
咀嚼(そしゃく)のための強靱(きょうじん)な筋肉が頭全体についたせいで、
本来は犬のような細長い頭蓋骨(ずがいこつ)を持つにもかかわらず、丸々とした顔になった。
涙ぐましい努力のもと、長年タケやササで命をつないできたパンダ。
進化はよりよく生きるために起こすもの。
パンダは進化よりも退化を選び、
そしてその退化の持つ特徴が、
わたしたち人間の心に刺さった、という珍し生き物なのですね。
今日のヒメちー
人は丸みを帯びたものを可愛いと思う…。
ねぇやんも良く、
ヒメちー、もうちょっとお肉付いたら
最強に可愛いのに。
と言っていますね。
と言うことは、これですね。
丸い金魚鉢に入る丸いヒメ。
これはパンダをも凌駕するのではないでしょうか。
いかがでしょうか。
うんうん、可愛いわー、ヒメちー。
でもこれ、上から見たらこんなだけど、いいのかしら…。
舞台裏は見せてはいけません。
動物の健康を考えたら、太り過ぎは良くないけれど、
やっぱりちょっと丸みを帯びた子は
犬でも猫でもライオンでもアザラシでも、可愛いわよねー。
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