the elephant in the room-部屋の中の象とは
elephant in the roomというフレーズを知っていますか?
直訳すると部屋の中にいる象……?となり、
意味が想像できません。
だって部屋の中にゾウがいるわけもない。
最近、住宅会社のCMで「キリンが飼える家」と言うものがありますが、
キリンもゾウも、現実的ではありません。
日本語のことわざも深く意味を知ると面白いものがたくさんありますが、
日常的に使われている英語フレーズには、
文字通り取ると面白い慣用句がたくさんあります。
これは日本語に訳したので生まれたものなのか
習慣の違いから生まれたものなのか、興味がわきます。
今回は、そんな慣用句からthe elephant in the roomを深掘りしていきたいと思います。
elephant in the room
elephant in the roomは、直訳すると部屋の中の象となります。
象のような巨大な動物が部屋の中にいたら、
誰でも気が付きますよね。しかし、
みんなが気付いていることにあえて触れない状況もあり、
elephant in the roomは、そんな状況を表すときに使われるフレーズ。
つまり、触れてはいけない話題、タブーという意味で使われます。
ちなみに、タブーは英語でもtaboo。
部屋の中に象のような巨大なものがいると明らかに誰の目にも入ります。
見過ごせるほどの巨大な部屋であるわけもありません。
例えば体育館くらいのサイズの部屋だったとしても…。
それでもゾウは目に留まります。
ですが、その事をあえて話題にしない、見て見ぬふりをする、という状況を
elephant in the roomと言う言葉は意味します。
象を大きな問題と見立てて、気が付いてはいるけれど、
口に出しづらい状況を言います。
象=触れちゃいけない話題(タブー)
the elephant in the room、または
there is an elephant in the room は
「この場で触れてはいけない話題がある」ということを暗に示す意味合いがあります。
Oxford英英辞典は、「the elephant in the room」を次のように説明しています。
A major problem or controversial issue which is obviously present
but is avoided as a subject for discussion
簡単に言うと、
明らかに存在する主要な問題または物議を醸す問題
しかし、議論の対象としては避けられます。
となります。
つまり「elephant」は、そこに居合わせた人がみな重要と問題と認識していながら、
あえて触れずにいる、そういう議題を指す比喩なのです。
日本語に訳すなら「空気を読め」のように言い換えられるのではないでしょうか。
the elephant in the room「部屋の中の象」と名付けられたこの作品。
かの有名なアーティスト、バンクシ—による作品です。
バンクシーの作品は巨大なステンシルアートを用いた、
反資本主義や反権力など政治色が強いグラフィティが主です。
展示では多くの人が無視している、
貧困などの重要な問題に目を向けることを意図しており、
「問題があっても、誰もその問題について触れようとしない」という
英語の慣用句「Elephant in the room」のメタファーとして、
生きたゾウにペイントを施したものです。
壁紙と同じ模様をゾウの体にペイントしています。
この象の本当の意味は、何でしょうね。
日本人が部屋の中にいるゾウを見た場合。
もしももしも、部屋の中にゾウが居たら…。
明らかに飼われている、と言った状況でない場合、まず自分の目を疑うと思います。
もしも他にも部屋の中に人がいて、
その人たちが気にしている風でなければ、
間違いなく自分にだけ見えている現象だと思うでしょう。
「部屋にゾウがいるのだけれど…」などと口に出せば、
頭のおかしい人だと思われるかもしれません。
良くも悪くも、人の目を気にする気質が日本人にはあります。
the elephant in the roomは日本人にとっては、
英語のそれとは違う意味を持つものなのかもしれませんね。
空気を読むことを知らず、
自分がおかしなことを言っているのでは…と言う
人の目を気にすることなく生きているヒメちーであれば、
部屋の中の象がいたならば、すぐにままちゃんに報告するかもしれません。
「the elephant in the room」は
「空気を読む」
「場の雰囲気を読む」
「触らぬものにたたりなし」
的な言葉を表す英語の慣用句として使われる言葉。
ただ国が違うと、違う意味合いになる物なのかもしれませんね。
今日のヒメちー
猫は正直な生き物です。
人のようによくわからない気の使い方はしません。
見て見ぬふりはしませんが、
寝てるふりは得意です。
ただ…これには難点があって…。
本当に眠くなっちゃうんですよね…。
お休みヒメちー。
時々、自由な猫の生活をうらやましく思うわ。
時々は交代してくれてもいいのよー。
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