おかげ犬って何?どうやってお参りをしたの?
ブロ友さんの維桜さんが、
夏休みにお伊勢参りをされたそうで…。
その記事中にあった「おかげ犬」、このワードがとても気になりました。
おかげ犬とは、
江戸時代ブームになった伊勢参りで、
主人が自らのかわりに伊勢に遣わした代参犬です。(伊勢市観光協会様のHPより引用)
えー。
ワンちゃんが人のかわりにお参り?
ワンちゃんを連れてお参り、じゃなくて?
と、普通は思うよね。
ところが、かわりに行く人がいない場合、
飼い犬がその大役を果たしたそうです。
ワンちゃんが単身でどのように?
お伊勢参りって、三重のお伊勢さんよね?
気になるととことん気になる性分。
ここは一つ、『おかげ犬』について調べてみましょう。
『おかげ犬』が生まれた背景
舞台は江戸時代。
当時は、庶民が旅をすることが禁じられていた時代。
そんな中、唯一許されていたのが神仏への参拝でした。
庶民にとって、お伊勢参りと金毘羅参りは生涯の夢だったようです。
今と違い交通網も発達していない江戸時代。
もちろん徒歩での旅になるわけです。
「それでもお伊勢参りをしたい…」。
「それでも金毘羅参りをしたい…。」
江戸から伊勢神宮までの距離は126里。
一理は4キロですから往復で約1,008km。
片道でも500kmを超える旅です。
1日あたり約40kmを歩き、25日ほどかかったようです。
江戸から伊勢神宮よりも遠い金毘羅参りに行くとなる1340㎞という距離。
不眠不休で歩いたとしても167時間、約一週間の道のりでした。
そこで、「代参」、という習慣が生まれました。
当時、江戸を中心とした東日本の各地から
これらの社寺への参拝の旅は大変なことで、
当人に代わって旅慣れた人が代理で参拝に行くことがありました。
これを「代参」と言いました。
また、旅を途中で諦めることにした人が、
道中で知り合った旅人に旅費と初穂料(お賽銭)を託し
代参してもらうこともあったようです。
それほどに、お参りを達成したかったのですね。
実は、代参をしたのは“人”だけではなかったのです。
病気や、足が悪いなど、到底旅をすることができない飼い主が、
飼い犬に代理で参拝をさせることがあったのです。
![おかげ犬 おかげ犬とは? 人のかわりに犬が参拝](https://i2.wp.com/mainichihime.com/wp-content/uploads/2022/10/eb22bf7a906b7f73af3d68cd620dade7-2.jpg?resize=500%2C280&ssl=1)
歌川広重 「伊勢神宮 宮川の渡し」
「伊勢神宮 宮川の渡し」から
ワンコのいる部分を拡大。
旅人に連れられて、渡し船に乗るようです。
![おかげ犬 おかげ犬とは? 人のかわりに犬が参拝](https://i2.wp.com/mainichihime.com/wp-content/uploads/2022/10/44d29d2792be3bad9a9ed98c7bbb20d6-1.jpg?resize=390%2C392&ssl=1)
歌川広重 「伊勢神宮 宮川の渡し」
ワンコが首から下げている袋には、
飼い主を記した木札、初穂料、道中の食費などが入っていました。
![おかげ犬 おかげ犬とは? 人のかわりに犬が参拝](https://i0.wp.com/mainichihime.com/wp-content/uploads/2022/10/0e4aae38a1f5494592124a884058f7cb-2.jpg?resize=500%2C417&ssl=1)
平林春一「金毘羅狗図」
犬は、旅人から旅人へと連れられ、
街道筋の人々に世話をされ、目的地にたどり着いたのです。
「皆様のご親切のおかげで」無事参拝を終えた犬は、
『おかげ犬』と呼ばれたそうです。
伊勢神宮に参拝に行く犬を『おかげ犬』
金比羅山へお参りに行く犬を『こんぴら狗』と呼んだそうです。
![おかげ犬 おかげ犬とは? 人のかわりに犬が参拝](https://i2.wp.com/mainichihime.com/wp-content/uploads/2022/10/66c19942ab4ba346fdb64ccc04cde373-4.jpg?resize=500%2C321&ssl=1)
歌川広重 「東海道五十三次 四日市」
当時の旅人たちはワンコたちが持つお金を盗むこともなく
ワンコを連れて歩き、
町の人たちは進んでお世話をしてくれていたようです。
たくさんの人たちが自然に旅をするワンコのお世話をする、
おおらかであたたかい時代だったことがわかりますね。
また、こんぴら狗、おかげ狗はどこへ行っても大概
「縁起が良い!、ご利益にあやかれる」と可愛がられ、
宿に泊まれば
「今日この宿には、こんぴら狗がお泊まりだよ~」
と謳えば集客になるくらい、縁起犬として丁寧な対応をされていたようです。
野宿ではなくて宿にも泊まるのですね。
まるで人のようですね。
おかげ犬たちの参拝のおかげで、
自身は参拝できなくとも、ワンコがかわりに参拝をすることで
いつかは参拝したい、という夢をかなえたことでしょう。
大役を果たしたおかげ犬たち。
飼い主にもご利益を、ワンコ自身にもご利益をもたらしたことでしょうね。
現在、伊勢神宮では、ワンコを連れて行けるのは大鳥居の手前まで。
この『おかげ犬』の体験はおかげ横丁でできるそうです。
もちろん、維桜さんも体験済み。
似合ってますねー。
今日のヒメちー
ほう。
ワンコたちは働き者ですねー。
ヒメちーは?
代わりに参拝に行ってくれたりしないの?
しませんね。
猫は存在自体が神ですから。
ああ…そう言えばこういう看板あるよね…。
![おかげ犬 おかげ犬とは? 人のかわりに犬が参拝](https://i2.wp.com/mainichihime.com/wp-content/uploads/2022/10/59f0ee94250ea71aa699f1cf96f0b8f4.jpg?resize=500%2C370&ssl=1)
面白画像集より
なので参拝する必要はないのです。
あれかしら…。
ねぇやんはお伊勢参りのかわりに
ヒメちーにお参りすればいいのかしら…。
コメント
へ~~!!これは知らなかった!
動物たちを交えた風習がうまく回った例ですよね(^^♪
確かにわんずにしたら、解せんと思うでしょうな( *´艸`)
ひめちーちゃん参り、これはご利益ありそう(≧▽≦)
今だったらきっと首から下げたお賽銭盗られちゃったり、意地悪で全然違うところに連れていかれてしまいそうですよね…。
今よりも動物の地位は低かったけれど、人情には厚かった、という事でしょうか。