トラもライオンも猫も。狛犬だけじゃない神社の守り神たち | ヒメとまいにち

トラもライオンも猫も。狛犬だけじゃない神社の守り神たち

 

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神社にはなぜ動物が祭られているのか。

 

狐、狸、牛、犬、狼、鹿、白蛇、猿、…。

神社とは切っても切れない縁の深い動物たち。

神社を守る存在「狛犬」

聖なる使い「狐」

学問の神さま「牛」

弁財天の使い「白蛇」

家族の幸福のシンボル「猿」

「干支」の12の動物たち。

「干支」には入れなかったものの人気者の「招き猫」。

神社に祭られる動物たち

これらの動物たちは神使・眷属として、神社に祭られています。

神使・眷属とは神様の意思を代行するものの事で、

一般的に、該当の神社の神様と縁故がある動物である場合が多い傾向にあります。

神の使いとされる動物大黒様のネズミ、

天神様のウシ、 お稲荷さんのキツネ、 春日さんのシカ、

日吉大社のサル、 弁才天のヘビ、 八幡様のハト、

熊野三山のカラス、 伊勢神宮のニワトリ 、出雲大社のうさぎ、

京都の長福寿寺では象を祀り、

神社に祭られる動物たち 象をまつる神社

日光東照宮、上神庫の上には「想像の象」の彫刻があります。

神社に祭られる動物たち

日光東照宮の象

 

象が初めて日本にやって来たのは1729年の頃と言われています。

京都・相国寺承天閣美術館には

伊藤若沖が描いた普賢菩薩像があります。

伊藤若冲〈普賢菩薩像

伊藤若冲〈普賢菩薩像〉

 

まつられている動物たちには、それぞれ由縁がありますが、

奈良県生駒郡の朝護孫子寺はトラを祀っているお寺です。

神社に祭られる動物たち トラをまつる神社

奈良県観光協会HPより

 

大阪市天王寺の大江神社には

狛犬ならぬ狛虎がいます。

神社に祭られる動物たち トラをまつる神社

日本にトラはいたことがない。なのになぜ?

 

 

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日本にいなかった動物たちが祀られるようになった理由

 

約1,400年前、朝護孫子寺がある信貴山で

聖徳太子が毘沙門天(七福神の一柱)を感得(真理などを悟り知ること)しました。

その瞬間が寅の年・寅の日・寅の刻であったことから、

トラが縁の深い動物として信仰されています。

トラもライオンも日本には自然生息していない動物ですが、

その生息圏であるアジア諸国では、

力強いイメージから霊力を宿す動物として語られており、

トラは山の神として神格化されていたり、

神獣の代表格である、龍と対等の力を持つ動物とされ、

中国では「雲は竜に従い、風は虎に従う」といった言葉もあり、

自然を操る力も有しているとされています。

四神である、玄武・青龍・朱雀・白虎は日本でも有名ですね。

ライオンと並びトラもその食物連鎖では、頂点に君臨する動物です。

獣王や王獣などと比喩される動物でもあります。

こういった勇猛なところから、戦国大名もその強さにあやかり

お城の屏風にトラの姿を描いたものを取り入れたり、

戦地に赴く際、自身を守る鎧や兜に虎の姿を施したデザインのものを着用したりと、

ゲンを担ぐ動物としてもよく知られていたのです。

 

 三越のライオン

誰もが知っているであろう、「三越のライオン」。

このライオン像は、単に三越デパートのアイコンではないのです。

三越百貨店の屋上には「屋上神社」が設置されており、

買い物客が自由に参拝できる神社となっています。

三越のシンボルであるライオン像は、大正3年(1914)、

当時の三越呉服店を率いた日比翁助がライオンを好み、

三越本店に一対のライオン像を据えたのがはじまり。

ロンドンのトラファルガー広場のライオン像をモデルに、

外国人の彫刻家と鋳造師を起用して製作されました。

三越が「百獣の王ライオン」のように

デパート業界に君臨するようにとの念願を込めて設置したそうです。

三囲神社江戸時代、大阪商人の三井家が江戸に進出する際に

この三囲神社を守護神としたことから三越との関係が始まったそうです。

向島の三囲神社には池袋三越にあったライオン像が鎮座しています。

神社に祭られる動物たち ライオンをまつる神社

三井広報委員会より

 

天下の三越とはいえ、神使を勝手に作っていいの?

三越以前にも、ライオンを神使に定めている神社はあります。

京都伏見の地にある乃木神社は、

明治の軍人をお祭りしている珍しい神社です。

日露戦争のときの司令官、乃木希典氏をお祀りしています。

いわれは分かりませんでしたが、

乃木神社はライオンのほか、ライオン・鯛・馬・蛙・亀を神使にしています。

神宮前の東郷神社。

勝利と至誠の神様として世界中の人に敬われる

東郷平八郎命を御祭神にお祀りしています。

ここに鎮座しているのもライオン(獅子)。

神社に祭られる動物たち ライオンをまつる神社

東郷神社HPより

 

これは東京築地の国立がんセンターの所に建っていた

有栖川宮威仁親王の御銅像の台座の四隅にあったもので、

戦災を免れた後、高松宮殿下から東郷神社に下賜された歴史ある獅子なのです。

白髭神社、ここには狛犬ならぬ「狛ライオン」がいるのです。

神社に祭られる動物たち ライオンをまつる神社

白髭神社より

 

神社ではありませんが、

東京国立博物館には「阿吽のライオン像」があります。

東京国立博物館のシンボル“阿吽のライオン像

東京国立博物館のシンボル“阿吽のライオン像

東京国立博物館のシンボル“阿吽のライオン像

全国にはきっと、ライオンを祭っている神社が他にもあるのでは…。

 

 シーサーはライオンがモデル?

当たり前ですが日本にはライオンはもともと生息していません。

ライオンはアフリカというイメージが強いですが、

現在ではかなり限定的になってしまったものの、

その昔にはインドにもインドライオンというライオンが生息しており、

それがシルクロードを伝って中国に入り、

中国から日本に伝わったとされています。

日本で魔除けのシンボルとして活躍してくれている狛犬やシーサーは

インドライオンが元となっていると考えられているのだそうです。

勇ましい表情でじっと佇む狛犬は、邪気を祓い、

神前を守護する意味を持っています。

その姿は犬というより立派なタテガミを生やしたライオン(獅子)のようですが、

正確には狛犬は架空の動物、霊獣とされています。

なので神社にライオン(獅子)がいることはさほど不思議なことではないのですね。

 

五感、そして六感はじめ、

動物たちの能力は人間を軽く凌駕するものも多く、

その動物たちのイメージや当時の時代背景も相まって、

先人たちは動物たちには様々な霊力が宿ると考えていたんですね。

人と動物の関係は古くは使役する側とされる側。

感謝と尊敬の意を持っていたからこそ、

神とあがめたのかもしれません。

 

 

今日のヒメちー

 

ヒメちー、まるで台座に鎮座する獣王みたいね。

本当は踏み台だけど。

神社に祭られる動物たち ライオンをまつる神社

ライオンもトラも猫族。

ライオンやトラが神とあがめられるのは

猫族として、大変名誉なこと。

神社に祭られる動物たち ライオンをまつる神社

まあ、猫でないところは不満ではありますが。

でもほら、招き猫として祀られてるじゃない?

 

それで十分じゃない?

神社に祭られる動物たち ライオンをまつる神社

ぷいっ。

神社に祭られる動物たち ライオンをまつる神社

あらあら、ヒメちー、ちょっとすねりんぼう?

どなたか、猫を祀っている神社の情報をお持ちでしたら、

ヒメちーのためにお教えください。

 

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