【残酷すぎる絶滅理由】やさしすぎて絶滅したステラーカイギュウ | ヒメとまいにち

【残酷すぎる絶滅理由】やさしすぎて絶滅したステラーカイギュウ

ステラーカイギュウ 絶滅理由  人のせいで絶滅した動物

 

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仲間思いがあだになって絶滅したステラーカイギュウ

 

今からそう遠くはない1768年。

一つのほ乳類が絶滅しました。

その名はステラーカイギュウ。

ステラーカイギュウ 絶滅理由  人のせいで絶滅した動物

北太平洋のベーリング海にくらし、海藻を食べていた、

全長8メートルほどもある巨大なほ乳類です。

かれらは、人間の手によって滅ぼされました。

ステラーカイギュウは寒い海に適応し、

脂肪をたくわえて大型化したジュゴンのなかま。

ジュゴンは推定250キロから900キロ。

ステラーカイギュウは4000キロから6000キロであったと言われています。

ステラーカイギュウ 絶滅理由  人のせいで絶滅した動物

ジュゴンやマナティは水中の植物を奥歯などですりつぶして食べますが、

ステラーカイギュウは歯をもたず、

海藻を歯ぐきでかみちぎって食べていたことが分かっています。

 

 

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美味しくて掴まえやすい。絶滅の理由は人間の都合

 

1741年、ロシア帝国の探検家であるヴィトゥス・ベーリング氏が、

カムチャツカ半島、アリューシャン列島、

アラスカなどを探検する航海に出帆しました。

ちなみにアラスカとシベリアの間にあるベーリング海峡は、

彼にちなんで名づけられたものです。

航海の道中、コマンドル諸島の無人島(のちにベーリング島と名づけられる)で

船が難破し、隊長のベーリング氏がまさかの病死。

ドイツ人だが、ロシア帝国の博物学者であり、探検家で医師でもあった

ステラー氏が代わりに隊長となり、無人島からの脱出を見事成功させ

のちに『ベーリング海の海獣調査』『カムチャツカ誌』などを刊行しました。

これらの著書には、無人島の沿岸海域で、

ステラーカイギュウ、メガネウ、ステラーシーイーグルなどの

新種の生物を発見したことも綴られていました。

ステラーカイギュウは海牛類の一種、

ステラーカイギュウ 絶滅理由  人のせいで絶滅した動物

メガネウはカワウやウミウなどの海鳥の一種、

ステラーカイギュウ 絶滅理由  人のせいで絶滅した動物

ステラーシーイーグルは猛禽類の一種。

ステラーカイギュウ 絶滅理由  人のせいで絶滅した動物

新しい生物の発見ではありましたが、

皮肉なことに、その著書がきっかけとなり、

コマンドル諸島における珍しい動物の存在が人々に知れわたる事となってしまいました。

ステラーカイギュウ1頭から、3トンあまりの肉と脂肪を手に入れることができ、

そしてその肉は、子牛に似た味と食感をもっていて大変美味であったと言われています。

言うまでもなく、遭難中のステラーたちにとって、

このカイギュウたちは有用な食料源となったのです。

美味であるばかりではなく、比較的長い時間保存することができたため、

その肉は彼らが島を脱出する際、たいへん助けとなった。

皮は靴やベルト、ボートを波から守るカバーに利用され、

ミルクは直接飲まれたほか、バターにも加工された。

脂肪は甘いアーモンド・オイルのような味がし、ランプの明かりにも使われた。

彼らが生還できたのは、このカイギュウの生息域でそれを有用に利用できたからであった。

ステラーカイギュウ 絶滅理由  人のせいで絶滅した動物

ステラーカイギュウと名づけられたこの海獣の話はすぐに広まり、

その肉や脂肪、毛皮を求めて、カムチャツカの毛皮商人やハンターたちが、

数多くコマンドル諸島へと向かい、乱獲が始まってしまったのです。

 

 

心優しい海獣。2千頭がゼロになるまでわずか27年

 

ステラーカイギュウたちは動作が鈍く、

長く人と接していなかったことから人間に対する警戒心ももち合わせていなかった。

ステラーカイギュウ 絶滅理由  人のせいで絶滅した動物

人間からの攻撃に対しても有効な防御の方法ももたず、

ひたすら海底にうずくまるだけだったといわれています。

仲間が攻撃されると、集まってきて守ろうとする性質があったと言われ、

特に、メスが傷つけられたり殺されたりすると、

オスが何頭も寄ってきて取り囲み、

突き刺さった銛やからみついたロープをはずそうとした、と言うことから

非常に知能の高い哺乳類であったと思われます。

そのような習性も、ハンターたちに利用されることになったのです。

非常に人間につかまりやすく、発見されてからわずか27年で絶滅してしまいました。

ステラーカイギュウ 絶滅理由  人のせいで絶滅した動物

ベーリング海にいたと言われるおよそ2000頭のステラーカイギュウ。

1768年、ゲオルク・ヴィルヘム・ステラーの知人であったイワン・ポポフが

「まだカイギュウが2〜3頭生き残っていたので殺した」という記録が最後の記録となりました。

海牛目における唯一の絶滅種です。

 

 

今日のヒメちー

 

多くの、すでに滅びた動物たちは

人の手によって滅ぼされています。

ステラーカイギュウ 絶滅理由  人のせいで絶滅した動物

食のための乱獲であったり、遊びのための殺戮であったり。

ステラーカイギュウ 絶滅理由  人のせいで絶滅した動物

最後の一匹を、殺した人はどういう気持ちだったのでしょう。

ステラーカイギュウ 絶滅理由  人のせいで絶滅した動物

何も感じないからできたのでしょうね。

ステラーカイギュウ 絶滅理由  人のせいで絶滅した動物

地球の資源はひとのためだけにあるわけではありません。

ステラーカイギュウ 絶滅理由  人のせいで絶滅した動物

このままでは、いつか大きなしっぺ返しが来ますよ。

ステラーカイギュウ 絶滅理由  人のせいで絶滅した動物

そうね、きっと本当にそう。

ワン・ポポフが

「まだカイギュウが2〜3頭生き残っていたので殺した」と言った言葉。

恐ろしくて吐き気がする。

人は自分が、最後の人類になるかもしれないと

想像すらしないのかしら。

 

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